下図の点線で囲まれた部分について、実環境(腐食性環境)に耐える実用装置材料を用いた機器・設備(水素製造規模150N/hに相当するサイズ)を開発し、2010~2014年にかけて、反応器に関する健全性確証試験を実施しました。
ブンゼン反応器では、フッ素樹脂あるいはガラスを鋼材に被覆した材料で機能分離型ブンゼン反応器を製作し、ブンゼン反応模擬液(HI、I2、H2SO4、H2O混合溶液)を循環しつつ、室温~100℃にて30回の熱サイクル負荷試験を行い、フッ素樹脂被覆に懸念されるブリスタリング等の異常を起こすこと無く使用できることを確認しました。
硫酸分解反応器では、炭化ケイ素(SiC)を装置材料に用いてバイヨネット型硫酸分解反応器を製作し、850℃にて計100時間に及ぶ硫酸分解試験を行い機器の健全性を検証するとともに、反応器内部に設置しておいた腐食試験片の測定で炭化ケイ素が優れた耐食性を有することを確認しました。
HI分解反応器では、ニッケル基合金を装置材料に用いてラジアルフロー型ヨウ化水素分解反応器を製作し、500℃で計100時間に及ぶヨウ化水素分解試験を行い、機器の健全性を検証するとともに、反応器内部に設置しておいた腐食試験片の測定でニッケル基合金が使用に耐える耐食性を有することを確認しました。