要素技術開発

連続水素製造試験による技術開発の他に、ISプロセスの実用化に向けた要素技術の開発を進めており、熱効率向上及び耐食・耐熱機器に関わる技術開発を行いました。

(1)膜分離を用いたHI濃縮やHI分解反応の効率向上

  • 放射線製膜法によって作成された膜を用いることで、電気透析HI濃縮に掛かる電圧の増加を大幅に抑えることができることを見い出しました。
  • 高いH2透過性能に加えて、高いH2/HI透過性能比(HIに対するH2の選択性)を示すシリカ膜を開発しました。この膜を組み込んで試作した膜反応器では、HI分解の平衡反応率を上回る最大で70%の高いHI分解反応率を示しました。

 ※反応率が低い場合、所定の生成物を得るために反応器に供給する反応物の量が増加してしまい、この増加に応じて、反応温度までの反応物の
  加熱や、未反応物のリサイクル利用のための気液分離 (冷却) に要するエネルギーロスが増加するため水素製造効率の低下を招く。

膜分離技術

図1 膜分離技術

(2)耐食・耐熱材料の開発

熱サイクル試験によってガラスライニング材の高温 (325℃) 腐食環境への適用性に目途を付けました。また、高温腐食環境との接触によるセンサーの腐食を回避するため、非接触式の測定法を検討し、非接触オンライン密度計測を通して、4成分2液相溶液の組成を計測する手法を開発しました。

耐食耐熱機器

図2 耐食・耐熱機器