国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
高温ガス炉水素・熱利用研究センター

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環境にやさしく安全で炉心溶融を起こさない原子炉の実用化を目指して

福島第1原子力発電所の事故を契機に原子炉の安全性への信頼が揺らいでいます。国民の懸念を解消し、信頼を回復するためには、いかなる事情を考慮しても、安全性が保たれる原子炉の開発が必要です。そうした中で、固有の安全性を備え、多目的な熱利用が可能な高温ガス炉が着目され、平成26年4月11日に閣議決定された エネルギー基本計画 *1 では、水素製造などの産業利用が見込まれ、安全性の高度化に貢献する原子力技術として、高温ガス炉の研究開発を国際協力の下で推進することが明記されました。

さらに平成29年6月9日に閣議決定された 「未来投資戦略」2017-Society5.0の実現に向けた改革- *2 においても、安全性向上や放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、国際協力も適切に進めながら高温ガス炉を活用することなど、将来に向けた研究開発の推進や人材育成等に着実に取り組むことが政府の方針として明記されています。

高温ガス炉の研究開発は、アメリカ、中国及び韓国など世界各国において進められています。日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)では、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた試験研究により、この分野の研究開発で世界をリードしています。平成22年度にはHTTRを用いて出力30%からの炉心流量喪失試験を実施し、安全設計方針の策定に必要なデータを取得しています。また、次世代の高温ガス炉に不可欠な原子炉解析コード、高性能耐熱燃料及び黒鉛の長寿命化等の基盤技術開発や高度化を行ってきました。

環境にやさしく安全で炉心溶融を起こさない原子炉の実用化を目指して
高温工学試験研究炉(HTTR)の構造

  • 熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型高温ガス炉

  • セラミックスで4重に被覆した燃料粒子と黒鉛製構造物で炉心を構成するため、炉心溶融がない設計が可能

また、核熱を使用し水を原料とする水素製造研究では、フッ素樹脂被覆のブンゼン反応器、セラミックス製の硫酸分解器などの耐食機器技術の蓄積を反映させて、金属、セラミックスなどの実用装置材料を用いた連続水素製造試験施設を平成25年度に完成させ、各反応特性を確認する試験に着手しています。

熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型高温ガス炉
連続水素製造試験施設の外観

原子力機構は、エネルギー基本計画、未来投資戦略に記載された政府の方針を踏まえ、平成27年度から始まった第3期中長期計画において、HTTRと熱利用施設を接続して総合性能を検証するためのHTTR-熱利用試験施設のシステム設計、安全評価等を計画しています。同施設では、水素製造設備やガスタービン発電設備などの熱利用系をHTTRに接続し、その性能を確証することで、高温ガス炉熱利用システムの早期実用化に役立てます。

脚注リンク先

*1:エネルギー基本計画 (平成26年4月11日):経済産業省(PDF PDF:1,104KB)

*2:「未来投資戦略」2017-Society 5.0の実現に向けた改革-(平成29年6月9日):首相官邸(PDF PDF:3,137KB)

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