熱化学法ISプロセスは、最大900℃の熱源により、ヨウ素(I)と硫黄(S)の化学反応を組合わせることにより、水を熱分解する水素製造法です。
ISプロセスの化学反応
I2 + SO2 + 2H2O → H2SO4 + 2HI ~100℃ (ブンゼン反応)
2HI → H2 + I2 ~500℃ (HI分解反応)
H2SO4 → SO2 + H2O + 0.5O2 ~900℃ (H2SO4分解反応)
3つの反応を組合わせることで、水を熱分解するために必要な温度を、直接熱分解に必要な4000℃から900℃以下まで低下させることが出来て、高温ガス炉などの熱源を用いて水を分解することが出来ます。反応に用いられるヨウ素や硫黄はプロセス内で循環するため、プロセス全体では水を分解して、水素と酸素のみを生成することが出来ます。
ISプロセスは、高温ガス炉だけでなく、太陽熱などの再生可能エネルギーなどの様々な高温熱源を使用することが出来て、将来のカーボンフリー水素製造法として期待されています。