高温ガス炉の構造

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高温ガス炉の燃料には、被覆燃料粒子を使います。これは、直径が1mmにも満たない黒い球状の粒で、ウランの酸化物や炭化物を芯としてその外側を特殊な炭素や炭化ケイ素の薄いセラミックスで四重に包んだものです。被覆は、ウランを保護すると同時に、ウランの核分裂により発生する核分裂生成物を閉じこめる役目を果たしています。炭素や炭化ケイ素の被覆は、金属被覆より熱に強いため、1000℃以上の高温でも破れることがありません。

高温ガス炉の炉心構造材には、中性子の吸収が少なく、放射線に強く、高温にも耐えて熱を良く伝えるなど炉心材料として極めて優れている黒鉛が使われています。この黒鉛は、燃料を保持する機能と核分裂で発生した高速の中性子を減速し、連鎖反応を維持する役目を果たしています。

原子炉から熱を取り出す冷却材には、ヘリウムガスが用いられます。ヘリウムガスは、高温でも燃料や構造材との化学反応を起こすことはなく、高温の熱を運ぶには最適な冷却材です。

高温工学試験炉(HTTR)の燃料体