3 施設閉鎖時および閉鎖後に必要な技術
概要
超深地層研究所計画では,第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の研究開発の終了後は,研究所用地の土地賃貸借期間内(令和4年1月16日)に坑道の埋め戻しおよび地上施設の撤去を完了するため,令和2年2月4日に坑道埋め戻しなどの作業を開始しました。坑道を埋め戻し閉鎖するための仕様と工程は,研究所用地の所有者である瑞浪市と協議の上,決定しました。
坑道の埋め戻し期間中は,埋め戻しに伴う地下水環境の回復状況を確認するために,地下施設の閉鎖時の観測を目的として構築したモニタリングシステムによって坑道埋め戻し作業中の地下水の水圧・水質の変化を観測するとともに,実証研究を兼ねてモニタリングシステムの有効性を確認しました(図1)。また,既存の地上観測孔においても地下水の環境モニタリング調査として,地下水の水圧・水質の変化を観測しました(図1)。坑道の埋め戻し後は,地下水の環境モニタリング調査を5年程度継続して実施し,研究開始当初から実施している研究所周辺の環境影響調査(河川水などの水質分析および騒音・振動測定など)も継続して行う予定です。地下水の環境モニタリング調査終了後は,地上施設の基礎コンクリートなどの撤去および地上観測孔の埋め戻し・閉塞,用地の整地を実施して,全ての作業を完了する計画です。
ここでは,超深地層研究所計画の第3段階(研究坑道を利用した研究段階)で行った施設閉鎖時に必要な技術の適用試験の結果を紹介するとともに,瑞浪超深地層研研究所の埋め戻しを1つの事例として紹介します。
