HTTRを用いた水素・電力コジェネレーションの実証計画

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HTTRは世界で初めて950℃という高温ヘリウムを原子炉から安定して取り出せることを実証しています。この成果を踏まえ、HTTRに水素製造施設やヘリウムガスタービン発電設備からなる熱利用システムを接続し、世界で初めてとなる原子炉の熱を用いた水素製造、並びに、ヘリウムガスタービンによる発電の実証を目指した検討を進めています。具体的には、実用化に向けた技術課題である、高温ガス炉による熱利用技術の確証や原子炉施設への化学プラント接続に係る許認可取得を目指しています。これまで、平成27年度から2年間、HTTRとヘリウムガスタービンや水素製造施設から構成される熱利用システムを接続したHTTR-GT/H2プラントの系統設計や機器設計を行い、電気出力1 MWe、水素製造量30 Nm3/h規模のプラントの系統構成や機器仕様を設定しました。また、代表的な異常事象について安全解析を行い、熱利用システムでの異常発生時にも、原子炉施設の安全確保策が十分であることを確認しました。

HTTRに接続する熱利用システム

HTTR-GT/H2プラント

高温ガス炉を用いた熱化学水素製造法ISプロセスによる実用水素製造システムの経済性向上に向けて、機器コストに占める割合が特に大きい硫酸分解器について、高価な炭化ケイ素セラミックの一部を新規耐食合金に置き換えるとともに、構造合理化により機器物量を削減した概念設計を行い、機器コストの評価を実施しています。

参考文献
X. Yan et al., HTTR-GT/H2 Test Plant - System Design, Proceedings of the 2016
International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR2016),
pp.827-836, November 6 – 10, 2016, Las Vegas, NV, USA (2016).