高温ガス炉の高レベル廃棄物減容

廃棄物問題に関しては、高い発電効率、高い燃焼度などの特性を持つ高温ガス炉は廃棄物発生量の削減、処分場専有面積(必要となる処分場の広さ)の削減に効果的です。高レベル廃棄物に関し、廃棄物キャニスターの発生体数、処分場専有面積の評価を行いました。直接処分に関しては、図1に示すように、処分法を考案し、各条件に対し、図2のように、ベントナイト温度(制限温度100℃)の解析を行っております。その結果、代表的な処分法に関し、発電量あたりの廃棄物体数、処分場専有面積が、軽水炉と比較し、直接処分時に共に6割減、再処理時に共に3割減となることが分かりました。また、処分法を見直すことにより、処分場専有面積はさらに減少し、再処理時の廃棄物は100年程度の冷却期間で、代表ケースの8割減、群分離技術の採用と150年程度の冷却期間で9割減となり、核変換を行わなくても非常にコンパクトな廃棄物処分を実現できることが分かりました。

高温ガス炉使用済燃料の直接処分の概要

図1 高温ガス炉使用済燃料の直接処分

処分後のベントナイト温度の変化の様子

図2 処分後のベントナイト温度の変化

参考文献
Y. Fukaya, T. Nishihara, “Reduction on high level radioactive waste volume and geological repository footprint with high burn-up and high thermal efficiency of HTGR,” Nucl. Eng. Des., 307, pp.188-196, (2016).
Y. Fukaya, M. Goto, H. Ohahsi, et al.,"Optimization of disposal method and scenario to reduce high level waste volume and repository footprint for HTGR," Ann. Nucl. Eng, 116, p.224-234, (2018).