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幌延深地層研究計画 札幌報告会2005について

幌延深地層研究計画 札幌報告会2005

11月29日(火)、札幌市の札幌後楽園ホテル・ピアリッジホールにて、「幌延深地層研究計画 札幌報告会2005」を開催しました。報告会では、北海道大学公共政策大学院長の宮脇淳先生より「行財政改革と地域づくり」と題する特別講演をいただくとともに、地下施設の建設計画及び地層処分技術の研究開発の状況等について報告しました。当日は道内外から約230名のご来場をいただきました。ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。なお、報告会では、以下の質疑応答をいたしました。

ご質問:政府の原子力発電を推進する方針が続く限り、高レベル放射性廃棄物は発生し続ける。日本は、火山国・地震国であり、処分可能な地域が多くないと考えられる。そうすると、日本国内に処分できる場所がなくなってしまうのではないのか。

お答え:日本がいつまで原子力発電を続けていくかについては、代替エネルギーの確保など検討課題があるため回答が困難な問題です。特定放射性廃棄物の処分に関する法律は平成12年に制定され,今年度(平成17年度)に見直しが行われました。その中で、実際に地層処分を行うのは、平成40年後半であり、その時までにおよそ4万本の高レベル放射性廃棄物が発生すると予想されており、地層処分を行う際には、数平方kmの領域に4万本程度の高レベル放射性廃棄物を処分するとの想定です。従って、日本国内で処分場が建設される場所を確保出来なくなるということではないと考えております。

ご質問:地下施設からの排水には塩化物イオンが多いとの説明があったが、天塩川へ排水を放流した場合に生じる影響にはどんなものが考えられるか。

お答え:環境への影響がない、あるいは可能な限り小さくする方法を採用します。

ご意見:過去に幌延において、地質調査などの野外調査を行ったことがある。本日の研究が順調に進んでいるとの報告を聞き非常に嬉しく思う。研究の益々の進捗を期待する。

ご質問:一般市民への研究成果などの説明をどのように進めていくのか。

お答え:実際に現場を見て頂く方法と、成果報告書をご覧頂く方法、そして今回のような報告会にて説明する方法を考えています。これらの方法を組み合わせて研究成果を広く周知していきたいと考えています。

ご質問:掘削土置場の説明に2つ質問がある。

1) 土壌汚染対策法の適用を受けないのはなぜか。
2) 天塩川に排水を放流するとの説明をはじめて聞いたが、地域の住民に説明しなくてもいいのか。地域の住民を無視しているのではないか。

お答え:土壌汚染対策法は、人為的に手を加えたものを扱う施設の跡地等を主な対象としています。我々が建設する掘削土置場は、人為的に手を加えず天然の岩石を対象としているため、法律が適用されません。しかし、環境に配慮するため自主的に法律に準拠した管理を行う方針としています。天塩川への放流については、現在、地元自治体を含めて関係各所と協議を行っており、今後必要に応じて地域の皆様へ説明していく考えです。

【三代理事による開会挨拶】

【北海道大学 宮脇先生による特別講演】

【福島研究主席による報告】

【会場の様子】

【質疑応答の様子】

【武田所長による閉会挨拶】

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