幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて進めることとしています。現在は、研究所用地やその周辺において、地下施設の建設、第2段階および第3段階の調査研究を行っています。
このページでは、調査研究の状況をご紹介します。
令和7年7月25日(金)更新
幌延深地層研究センターでは、地表部(西立坑アクセスルーム)、250m調査坑道および350m調査坑道に地震計を設置し、観測をしています。
令和7年7月19日(土)7時35分頃に、北海道留萌地方中北部を震源とする地震が発生しました。幌延町では震度2を観測しました。
発生日・ 時刻 |
震央の 地名 |
震源の 深さ (km) |
規模 (M※) |
最大震度 | 幌延町の震度 |
---|---|---|---|---|---|
7/19 07:35 |
留萌地方 中北部 |
25 | 3.6 | 天塩町など:2 | 2 |
気象庁 震度データベース検索より
※M:マグニチュード
当センターにおいてもこの地震を観測しました。地表部、250m調査坑道および350m調査坑道で取得した東西方向、南北方向、鉛直方向の地震波形を図1に示します。地表に比べて地下では揺れ(震度)が小さくなっていることがわかります。
図1 7月19日 7時35分頃発生した地震における地震波形図
図をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。
令和7年7月11日(金)更新
令和7年6月23日から6月26日にかけて、深度500m調査坑道の試験坑道9(図-1)において底盤部の岩盤を露出させて地質観察を行いました(図-2)。この観察調査により、令和7年2月に実施した先行ボーリング調査だけでは把握することが困難な情報を取得することができます。今回、観察した範囲は、長さ約30m、幅約1mの範囲(図-3)ですが、岩盤の割れ目の長さや割れ目同士のつながり具合、岩盤の強度などの地質学的特徴に関する情報が得られます。これらの情報は、坑道周辺の岩盤内の割れ目の空間分布などを推定するために非常に重要な情報となります。また、得られた情報を整理することで、坑道を掘削した際に坑道周辺に生じる割れ目の発達領域の推定など、さまざまな検討に役立ちます。
図-1 深度500m試験坑道9の位置
図-2 地質観察の様子
図-3 地質観察の範囲(深度500m試験坑道9の全景)