オーバーパック腐食試験は、地下深くの坑道(深度350m調査坑道)に実際に模擬オーバーパックを埋設し、オーバーパックの候補材料である炭素鋼の腐食の状況を確認します。
試験では、コンクリートで覆った試験孔(穴)に、模擬オーバーパックと緩衝材及び各種センサーを埋設した上で、地下水を注入しながらオーバーパック(炭素鋼)の腐食の状況を観測します。また、数年後には模擬オーバーパックを取り出して、実際の炭素鋼の腐食の状態を分析します。
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・実際に地下深く(深度350m)で、オーバーパックの候補材料である炭素鋼の腐食の状況を確認する。
・実際の地下環境で、周辺のコンクリートの影響を考慮した試験を実施する。
オーバーパック腐食試験では、地下施設深度350mの試験坑道3に掘削した試験孔(穴)をコンクリートで覆った(コンクリート支保)上で、炭素鋼を棒状に加工した模擬オーバーパックと緩衝材を埋めます。
埋めた緩衝材には、36点のセンサー(計測機器)を設置します。
模擬オーバーパックに内蔵した電熱ヒーターで加熱(95℃)し、地下水を注水しながら、模擬オーバーパックの腐食の状況を確認します。
主な設計、仕様は次のとおり。(「試験孔断面イメージ図」参照)
①試験孔(処分ピット)
・深さ約160㎝、直径55㎝。
・コップ形に、低アルカリ性セメント材料のコンクリートを設置(コンクリート支保)。
・コンクリート支保の内径は約30㎝。
②模擬オーバーパック
・炭素鋼製、電熱ヒーターを内蔵。
・直径10cm、長さ約200㎝、発熱部の長さ120㎝。
③緩衝材
・ベントナイト70%とケイ砂30%を混合し固めたもの。
・直径30㎝、厚さ10㎝のドーナツ形。
・試験孔に12段設置する。
④地下水
・深度350調査坑道周辺の地下水(塩水系)を注水。
試験孔断面イメージ図
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