研究内容紹介

人工バリア性能確認試験

人工バリアの取り出しに向けた準備に着手!

緩衝材設置の様子(1段目)
模擬OP設置の様子

掘削作業の様子

人工バリア性能確認試験とは

人工バリア性能確認試験は、幌延の地下施設(350m調査坑道 試験坑道4)において、地層処分事業で想定される人工バリアの定置と坑道の埋め戻しを実施し、その性能や施工方法を確認するための試験です。この規模の試験は、世界的にも数例しかなく、国内外の研究に広く活用されています。

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*人工バリアとは、ガラス固化体、オーバーパックおよび緩衝材からなる地層処分システムの構成要素のことで、高レベル放射性廃棄物が人間の生活環境に影響を及ぼさないようにする障壁として、人工的に形成するものです。(詳しくはこちら

実物大人工バリア
(カットモデル)

①試験孔(処分ピット)
・深さ4.2m、直径2.4m。
・試験孔は覆工などはせず、岩盤中に直接人工バリアを設置。

②模擬オーバーパック
・炭素鋼を材料とした金属容器。
・高さ173cm、直径82cm、重さ約1.9t(内蔵物も含めると約5.8t)。
・ガラス固化体を模擬するための加熱用電熱ヒーターを内蔵。

③緩衝材
・ベントナイト70%とケイ砂30%を混合し、ブロック状に固めたもの。
・1段が8~9個のブロックで構成し、12段積み上げ。
・ブロック1個の重さは約300kg。

④坑道の埋め戻し
・埋め戻し材は、ベントナイト40%と掘削土(ズリ)60%を混合したもの。
・坑道の下部は転圧締め固め、上部は埋め戻し材ブロックにより埋め戻し。
・試験坑道4(全長25m)の奥から7.3mを埋め戻し。

⑤プラグ(蓋)
・低アルカリ性コンクリート材料を使用。
・厚さ(奥行)は3m。

主な目的

【設計・施工性】実際に地下深くの環境に対して、人工バリアや埋め戻し材を設計し、施工できる事を確認する。
【データ計測・シミュレーション技術の検証】人工バリアを地下に埋め戻した後、地下水が緩衝材中に徐々に浸みこんでいく過程で起こる現象を把握し、それらの現象を予測するシミュレーション技術を検証する。

試験内容及び成果

【設計・施工性】

試験坑道4に掘削した試験孔(処分ピット)に、ガラス固化体の代わりにヒーターを内蔵した模擬オーバーパックと緩衝材からなる人工バリアを埋めました。その後、人工バリアを埋めた上部の坑道の一部を埋め戻し、埋め戻した材料が坑道内に出てこないようにプラグ(蓋)を設置しました。埋めた人工バリアや埋め戻し部及びプラグ(蓋)には、約200点のセンサー(計測器)を設置しました。人工バリア性能確認試験の施工は平成26年度(2014年度)に完了しました。
 ⇒施工時の様子はこちらから動画で確認できます。

緩衝材設置の様子(1段目)

緩衝材設置の様子(1段目)

模擬OP設置の様子

模擬OP設置の様子

埋め戻しの様子(転圧締固め)

埋め戻しの様子(転圧締固め)

■成果(設計):設計手法の適用性確認
人工バリア性能確認試験の設計では、これまでに構築されている人工バリアの設計フローに加え、新たに埋め戻し材に関する個別設計フローを構築し、その適用性を確認しました。これらの成果は人工バリア等の合理化設計技術に役立ちます。

■成果(施工性):製作および施工手法の適用性確認
新たに処分孔掘削技術を開発し、人工バリアや埋め戻し材の製作・施工技術の適性を確認しました。これらの成果は、地層処分事業における「精密調査」での安全性・合理性などを考慮した材料製作方法や施工方法の選定に役立ちます。

【データ計測・シミュレーション技術の検証】

施工完了後、模擬オーバーパックに内蔵したヒーターで加熱し、模擬オーバーパックの表面温度を90℃程度まで上げて、緩衝材と埋め戻し材の外周部に地下水を送り込みながら、人工バリアや周辺岩盤の変化(温度、水分、応力、水質等)を観測しています。加熱・注水は平成27年1月(2015年1月)から開始しており、約11年間データを取得してきました(加熱による水分量の変化はこちら)。
 取得したデータは、国際的にも貴重なものであり、人工バリアやその周辺で生じる現象の理解やシミュレーション技術を検証するための使用しており、国際共同研究を通して、海外の研究機関とも連携してシミュレーション技術の検証に取り組んでいます(補足資料)。

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■成果:評価手法の高度化
実際の地層処分で想定される環境に近い現場でも、適切に実現象をシミュレーションで再現できることを確認しました。これらの成果は、人工バリアの設計や処分オプションを検討する際に役立ちます。

解体試験(今後の取り組み)

解体試験は、地下に埋めた人工バリアや埋め戻し材を取り出して状態を確認する試験です。これにより、計測機器のみでは取得できない、より詳細な情報も取得できるため、より高度なシミュレーション技術の検証が可能となります。この取り組みは「幌延国際共同プロジェクト(HIP)」の課題として実施しており、参加機関が保有する専門知識やそれぞれのシミュレーション技術による解析結果を組み合わせて評価することで、より充実した成果が創出できます。(補足資料③
2026年4月頃から地下に埋めた人工バリアや埋め戻し材を取り出すために掘削作業を進めます。

掘削作業のイメージ

解体試験で採取するサンプルのイメージ

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スケジュール

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人工バリア性能確認試験の状況

人工バリア性能確認試験の状況

人工バリア性能確認試験の状況はこちらからご覧いただけます。

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