研究内容紹介

人工バリア性能確認試験について

人工バリア性能確認試験とは

人工バリア性能確認試験は、地下深くの坑道(深度350m調査坑道)に実際に実物大の人工バリアを設置し、その性能について検証します。

試験では、模擬のオーバーパックと緩衝材及び各種センサーを坑道に設置した上で、坑道を埋め戻します。この際、施工方法や設計についても検証します。

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人工バリア性能確認試験の主な目的

・実際に地下深く(深度350m)の環境に対して、人工バリアを設計し、施工できる事を確認する。
・地下水やガスが存在する軟岩での地質環境における施工を確認する。
・人工バリアや周辺岩盤の変化(温度、水分、応力、水質等)を観測し、評価する。
・日本初の、坑道を埋め戻した本格的な人工バリアの試験
・取得したデータは、国内外に発信していく。

人工バリア性能確認試験の概要

人工バリア性能確認試験では、地下施設深度350mの試験坑道4に人工バリアの竪置き方式を模擬して掘削した試験孔(処分ピット)に、ガラス固化体の代わりにヒーターを内蔵した模擬オーバーパックと緩衝材からなる人工バリアを埋めます。
 そして、人工バリアを埋めた部分の坑道を埋め戻し、埋め戻した材料が坑道内に出てこないようにプラグ(蓋)を設置します。
 埋めた人工バリアや埋め戻し部分及びプラグ(蓋)には、約200点のセンサー(計測器)を設置します。
 全ての資材、機器の設置完了後、模擬オーバーパックに内蔵した電熱ヒーターで加熱し、模擬オーバーパックの表面温度を100℃程度まで上げて、緩衝材と埋め戻し材に地下水を送り込みながら、人工バリアや周辺岩盤の変化(温度、水分、応力、水質等)を観測します。

主な設計、仕様は次のとおり。(「深度350m試験坑道4断面イメージ図」参照)

①試験孔(処分ピット)
・深さ4.2m、直径2.4m。
・試験孔は覆工などはせず、岩盤中に直接人工バリアを設置します。

②模擬オーバーパック
・炭素鋼を材料とした金属容器。
・高さ173cm、直径82cm、重さ約1.9t(内蔵物も含めると約5.8t)。
・ガラス固化体を模擬するための加熱用電熱ヒーターを内蔵。

③緩衝材
・ベントナイト70%とケイ砂30%を混合し、ブロック状に固めたもの。
・1段が8~9個のブロックで構成し、12段積む。
・ブロック1個の重さは約300kg。

④坑道の埋め戻し
・埋め戻し材は、ベントナイト40%と掘削土(ズリ)60%を混合したもの。
・坑道の下部は転圧締め固め、上部は埋め戻し材ブロックにより埋め戻す。
・試験坑道4(全長25m)の奥から7.3mを埋め戻す。

⑤プラグ(蓋)
・低アルカリ性コンクリート材料を使用。
・厚さ(奥行)は3m。

⑥地下水
・深度350調査坑道周辺の地下水(塩水系)を注水。

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人工バリア性能確認試験の状況

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