深地層研究計画の状況

平成27年5月の調査研究の状況

平成27年5月29日(金)更新

坑道掘削に伴う地表面傾斜量の計測

坑道掘削に伴う地下深部の岩盤や地下水の挙動を、地表付近からモニタリングする技術を確立するため、図1に示すように換気立坑の周辺に9台、約930m離れた地点に1台の高精度傾斜計(図2) を設置しています。この傾斜計の精度は非常に高く、岩盤の傾斜を約1億分の6度の精度で計測することができます。その一例として北西端の計測点(PIN-07)の傾斜方向グラフを図3に示します。この図は、換気立坑と東立坑の掘削に伴って、南東方向に傾斜(図中、Aの領域)していたものが、西立坑の掘削の開始に伴って、徐々に西立坑側へと傾斜(図中、Bの領域)し始めていることを捉えています。

図1 高精度傾斜計設置位置図

図2 高精度傾斜計設置図

図3 傾斜方向グラフ(計測点名:PIN-07)

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平成27年5月15日(金)更新

水圧・水質モニタリング装置のメンテナンス

深度350m調査坑道の試験坑道2および4の周辺では、試験坑道の掘削による周辺岩盤中の地下水への影響を調査するため、水圧・水質のモニタリングを実施しています(図参照)。
 モニタリング装置には、水圧・水質観測用のセンサーが設置されています。これらのセンサーは、定期的にメンテナンスを行い、センサーに異常がないかを確認する必要があります。写真は、13-350-C06孔用のモニタリング装置から水質センサーを取り外し、外観を点検している様子です。取り外したセンサーは、地上の実験室でセンサーの精度を確認した後、再設置します。

図 試験坑道2および4周辺における水圧・水質モニタリングの位置

写真 メンテナンス作業の様子

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平成27年5月1日(金)更新

岩盤強度の簡易測定

調査坑道の掘削後、坑道内の温度や湿度、岩盤内部の水分量の変化に伴い、坑道周辺の岩盤の強度がどのように変化していくかを把握するために、「エコーチップ硬さ試験」を実施しています。
 これは、写真1に示すような、金属製の棒(インパクトボディ)をばねの力で岩盤に押し出し、岩盤からの反発の度合いを測定することにより、岩盤の強度を推定する試験です。本試験装置は、小型・軽量で携帯性に優れており、狭い場所においても測定可能です。また、岩盤への打撃のエネルギーも小さいため、繰り返し測定を行っても、測定箇所の岩盤を損傷させないといった利点もあります。
 写真2は、250m調査坑道の岩盤露出部および吹付コンクリートを削孔して岩盤を露出させた部分において測定している様子です。本試験は、平成27年1月より実施しており、月1回程度試験を行うことで、季節変化を含めた長期的な岩盤強度の変化に関するデータを蓄積していきます。

写真1 測定装置

写真2 250m調査坑道の岩盤露出部における測定状況

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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