システム安全に関する試験研究
ナトリウム冷却高速炉の安全性向上の観点から、ナトリウム特有の性質に着目した基礎試験やシビアアクシデント時の炉外事象挙動を解明するための試験研究を行っています。
ナトリウムの反応性に関する基礎試験
ナトリウムの大きな特徴として、酸素や水等に対する化学的活性(反応性)があります。これらの反応性(特に反応速度)は安全評価を行う上で非常に重要となります。そこで反応に起因する温度変化等を測定する基礎的な試験(示差走査熱量計を用いた熱分析等)を行い、ナトリウムの反応性や反応速度に関する知見を収集しています。
エアロゾルの移行挙動に関する試験研究
高温の液体ナトリウム(Na)が漏えいして雰囲気中の酸素や水蒸気と反応すると、Na酸化物や水酸化物のエアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)が発生します。これらのエアロゾルは電気機器や人体へ悪影響を及ぼす恐れがあります。そこで多セル区画実験装置を使用して、エアロゾルの移行挙動を解明するための試験を実施しています。
実験ではNaを燃焼させずに、模擬粒子を使用しています。この模擬粒子を基準セル(約20m3)に注入・噴出し、その後の移行挙動をレーザーやカメラ等により測定しています。本実験データは、Na燃焼解析コードの整備・検証に使用されます。