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放射性廃棄物の発生と分類区分

放射性廃棄物のレベル区分pageTop

我が国では、再処理施設において使用済燃料からウラン・プルトニウムを回収した後に残る核分裂生成物を主成分とする 高レベル放射性廃棄物と、それ以外の低レベル放射性廃棄物の大きく二つにレベル区分をしています。 また、廃棄物中に含まれる放射性物質の量(濃度)に基づく放射能レベルの非常に低いもの、すなわちクリアランスレベル以下に区分できることが確認されたものは、再利用や一般物品と同様に扱うことができます。

廃棄物の種類

廃棄物の例 発生源 処分の方法(例)
高レベル放射性廃棄物 ガラス固化体 再処理施設 地層処分
低レベル放射性廃棄物 発電所廃棄物






ル↓

放射能レベルの比較的高い廃棄物

制御棒、
炉内構造物

原子力発電所

余裕深度処分

放射能レベルの

比較的低い廃棄物

廃液、フィルター、廃器材、消耗品等を固型化

浅地中ピット処分

放射能レベルの

極めて低い廃棄物

コンクリート、
金属等

浅地中トレンチ処分

超ウラン核種を含む

放射性廃棄物(TRU廃棄物)

燃料棒の部品、
廃液、フィルター

再処理施設
MOX燃料加工施設

地層処分、

余裕深度処分、

浅地中ピット処分

ウラン廃棄物

消耗品、スラッジ、廃器材

ウラン濃縮・燃料加工施設

余裕深度処分、

浅地中ピット処分、

浅地中トレンチ処分、

場合によっては地層処分

クリアランスレベル以下の廃棄物

解体廃棄物の大部分

上に示した全ての発生源

再利用/一般の物品としての処分

原子力科学研究所の放射性廃棄物の発生pageTop

原子力科学研究所内の各原子力施設の管理区域から発生する物で、放射性物質によって汚染し、廃棄しようとする物は、全て放射性廃棄物として取扱います。
気体状の放射性廃棄物は、各原子力施設において、 HEPAフィルタ等を用いて放射性微粒子を除去しモニタリングしながら排出しています。また、固体又は液体状の放射性廃棄物は放射性廃棄物処理場が保管に適した状態に処理し、処分までの間保管しています。

放射性廃棄物の

発生原因

共通

(停止中、定期検査中)

運転(使用)

修理改造

廃止措置

試験研究用

原子炉施設

施設が停止中であっても、点検、検査等のために作業者が出入りするため、手洗い水、手袋、マスク、除染用ウェス、ビニールシート等の放射性固体、液体廃棄物が発生します。

また、換気空調が行われるため、気体廃棄物が発生します。

使用済みの研究用資材が発生します。

水浄化系の使用済樹脂等の廃棄物が発生することもあります。

修理改造機器類の交換部品、不要部品等が発生します。

大型の固体廃棄物が発生する場合もあります。

除染した床・壁・天井設置していた設備・機器類の解体物が発生します。

発生量が多いことが特徴として挙げられます。

核燃料物質

使用施設

使用済みの研究用資材が発生します。

照射後試験の場合は比較的高線量の固体廃棄物が発生します。

放射性同位元素

使用施設

使用済みの研究用資材が発生します。

これらの放射性廃棄物は、全て低レベル又はクリアランスレベルに相当する放射性廃棄物に区分されますが、原子力科学研究所では、処理・保管・処分を的確に行うため以下のように分類区分をして放射性廃棄物処理場に集められます。

原子力科学研究所の放射性廃棄物の分類区分pageTop

原子力科学研究所では、処理・保管等を適切に行うため下表のように分類区分を行っています。

管理区分

β・γ  (※1) α  (※2)

性状分類





放射能レベル区分

A-1 A-2 B-1 B-2 A-1 B-2

表面線量率(mSv/h)で区分

0.5未満

0.5以上

2.0未満

2.0以上

40,000(※3)
未満

40,000(※3)
以上

37kBq(※4)
以上

37MBq未満

37MBq(※4)
以上

可燃性廃棄物

焼却

焼却

圧縮-封入

圧縮-封入

直接保管

直接保管

直接保管 直接保管

難燃性廃棄物

焼却-プラズマ溶融

焼却-プラズマ溶融

圧縮-封入

圧縮-封入

直接保管

直接保管 直接保管 直接保管

不燃性廃棄物

プラズマ溶融

高圧圧縮

金属溶融

直接保管

プラズマ溶融

高圧圧縮

金属溶融

圧縮-封入

直接保管

圧縮-封入

直接保管

直接保管 直接保管 直接保管





放射能レベル区分

A未満 A B-1 B-2 -

放射能濃度(Bq/cm3)で区分

0.37未満

0.37以上

37未満

37以上

37,000未満

37,000以上

370,000未満(※5)

1.85以上

無機性廃棄物

希釈排水

蒸発濃縮

希釈排水

蒸発濃縮

蒸発濃縮

蒸発濃縮

発生元が固型化して

直接保管

有機性廃棄物

固型化して固体廃棄物として取扱う

発生元が固型化して

直接保管

気体廃棄物

各施設においてフィルタによるろ過を行い排気する。

*1: 主としてβ線又はγ線を放出する放射性物質で汚染したもの。

*2: 主としてα線を放出する放射性物質で汚染したもの。(天然ウラン、トリウムは除く。)

*3: 容器から50cm離れた位置で判断する。

*4: 20ℓ 容器あたりの放射能量で判断する。

*5: B-2区分を超えるβ・γ無機性廃棄物は発生元が固型化して固体廃棄物として取扱う。

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