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コンクリートのクリアランス

クリアランス制度とはpageTop

発電用原子炉施設、試験研究用原子炉施設等の老朽化により、廃止措置が本格化します。 この廃止措置に伴い、放射性廃棄物以外に、「放射性廃棄物として扱う必要のない廃棄物」(クリアランス対象の廃棄物)や「放射性廃棄物でない廃棄物」が大量に発生します。

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原子力施設から生ずる資材のうち、放射能レベルの極めて低いものを再生利用(リサイクル)することは、資源の有効活用、循環型社会の形成の観点からも重要と考えられます。

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このため、

原子力施設から生ずる資材について「クリアランスレベル」(人の健康への影響を無視できる放射性核種の濃度)以下であることを国が確認する「クリアランス制度」が導入されました。
(平成17年度原子炉等規制法改正(第61条の2等))

→ 国の確認を受けた資材は、通常の産業廃棄物又は有価物として取り扱うことが可能となります。

原子力科学研究所におけるクリアランス適用例pageTop

旧JRR-3の改造工事に伴って大量に発生し、原子力科学研究所に保管廃棄している汚染の極めて低いコンクリート廃棄物約4,050トンをクリアランスし、原子力科学研究所内の駐車場整備のための路盤材等として再利用しています。

旧JRR-3の概要

炉 型 式 : 重水減速、重水冷却、黒鉛反射体付きタンク型
熱 出 力 : 10MW
最大熱中性子束 : 約3×1013n/cm2・s
炉心形状 : 円柱(約φ260cm×H210cm)
燃   料 : 天然U金属燃料、1.5%濃縮UO2ペレット
初臨界年月日 : 昭和37年9月12日
総運転時間 : 47,137時間
積算熱出力量 : 419,073.5 MWh

旧JRR-3の改造工事

改造期間 : 昭和60年度~平成元年度
改造方法 : 原子炉建家の有効利用を図るため、原子炉本体を一括撤去するとともに、炉室内の施設を撤去
改造時の放射性廃棄物の区分 :
  3H以外 3H
低レベル固体廃棄物 > 3.7 Bq/g > 7.4×102 Bq/g
極低レベル固体廃棄物 ≦ 3.7 Bq/g ≦ 7.4×102 Bq/g

原子炉本体等撤去前
原子炉本体等撤去前

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撤去後
撤去後

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原子炉本体の一括撤去に伴い、汚染の極めて低いコンクリートが大量に廃棄物として発生しました。
主な発生場所:炉室床・壁、制御室、セミホットケーブ等

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放射能濃度確認対象物

コンクリートのクリアランス実施状況pageTop

コンクリートを対象とした国内初のクリアランスを行うことにより、制度の運用方法を整えて、循環型社会形成に貢献しています。

事前調査、測定及び評価の方法の策定
平成17年度~
JAEA-Technology 2009-060
JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートのクリアランス -汚染状況の調査-
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2009-060.pdf

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「測定及び評価の方法」の国による認可
平成19年11月申請、平成20年7月認可
JAEA-Technology 2011-003
JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートのクリアランス -放射能濃度の測定及び評価の方法の策定-
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2011-003.pdf

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クリアランス対象物の測定及び評価
平成21年3月 保安規定変更認可(クリアランス作業の取込み)
平成21年4月から測定及び評価の現場作業を開始
平成26年4月に合計12ピット分(約4,000トン)のクリアランス対象物について、測定及び評価の現場作業が完了

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「測定及び評価の結果」の国による確認
  • 合計12ピット分について、1ピット毎に計12回確認申請を実施
  • 平成26年度に合計12ピット分の国による確認が終了

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再資源化加工
JAEA-Technology 2017-017
JRR-3改造⼯事に伴って発⽣したコンクリートのクリアランス -放射能濃度の測定 及び評価の結果-
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2017- 017.pdf

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再利用
原子力科学研究所内の震災復旧・駐車場整備等に再利用
(実績)
平成23年度:約600トン、平成24年度:約1,200トン
平成26年度:約1,500トン、平成27年度:約500トン

コンクリートのクリアランス作業状況と再利用の例pageTop

国から確認証が交付されたコンクリートは、クリアランス後のトレーサビリティを確保しつつ、非管理区域であるストックエリア(敷地内)に保管し、コンクリート再生砕石(RC40)へ再資源化加工(破砕)を行ったのち、 原子力科学研究所内の震災復旧用資材や駐車場整備用路盤材等として再利用しています。

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