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原子炉内部の状況解析

原子炉建家内は放射線量が高く容易に内部に立ち入ることができないため、溶け落ちた燃料(=燃料デブリ)がどこにあるのか、また炉心がどの程度破損しているかなど、原子炉の内部状況を正確に把握することが難しい状況下にあります。一方で、今後の燃料デブリの取り出しにはそれら原子炉内部の状況把握をしっかり把握することが必要となります。

原子炉の内部状況を解析的に推定するpageTop

◎ 目的

事故による原子炉内の水位低下により、燃料集合体が冷却材から露出し、その後注水が開始されるまでに約6時間から14時間を要したとされています。この間に炉心の最高温度は二酸化ウランの融点以上の温度に達し、1号機から3号機において多くの燃料が溶融した可能性が高く、溶融した燃料の一部は圧力容器を貫通し格納容器内に落下していると考えられます。

福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議では、この燃料デブリの取り出しを2020年度を目処に開始することを計画しており、その効率的かつ確実な作業のため、燃料デブリの分布状況を含む原子炉内部の状況を推定する必要があります。

◎ 技術開発

シビアアクシデント時に原子炉内で発生する様々な現象に関する研究は、1979年に起こった米国・スリーマイル島原子力発電所での事故の後広く行われました。しかしながら、一定の精度をもってシビアアクシデントを予測するためには関連する知見が十分ではありません。

そこで、従来知見の福島第一原発事故評価への応用性を検討した上で、最近の解析及び実験技術の進歩を考慮し、冷却材である水や熱の事故時の流れ(熱水力挙動)、燃料損傷及び溶融進展、圧力容器下部ヘッド破損、計算コードを用いた事故の解析について研究開発を行っています。

◎ 技術開発を行なっている施設等

シビアアクシデント時に原子炉内で発生する現象
シビアアクシデント時に原子炉内で発生する現象

水中に模擬溶融物を落下させた試験と解析の例
水中に模擬溶融物を落下させた試験と解析の例

溶接部を考慮した下部ヘッド詳細解析モデル
溶接部を考慮した下部ヘッド詳細解析モデル

この技術開発は廃止措置等に向けた中長期ロードマップのうち、以下の課題解決に貢献しています。

  • ・(2-②-1) 炉内状況把握・解析のための事故進展解析技術に係る研究開発
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