核燃料・バックエンド研究開発部門は、使命を終えた原子力施設の廃止措置や、放射性廃棄物の処理・処分など、いわゆる「バックエンド問題」の解決に取り組む部門です。その中で、私が所属する企画調整室は、バックエンド事業に係る事業計画の策定や工程管理、業務実績評価など、部門全体の取りまとめをしています。
私は、各年度に実施した研究・技術開発の成果について、外部の有識者から得た客観的な評価を公表する「業務実績評価」を担当しています。これは、国費を使った研究・技術開発が、効果的かつ効率的に実施されていることを示すもので、公共機関として欠かせない業務の一つです。個々の研究開発評価は原子力の専門家向けですが、独立行政法人評価については専門家以外にも理解してもらえる内容とするため、研究職の方に相談しながら表現方法に配慮しています。

バックエンド問題は、原子力を利用する世界各国が直面している重要な課題であり、安全かつ合理的な施設の解体技術や放射性廃棄物の処理・処分技術への関心が高まっています。国内唯一の原子力に関する総合的な研究開発機関として、こうしたニーズに応え、社会に貢献するのが原子力機構の役割です。国内外を問わず常に最先端の技術や知見に触れ、好奇心を刺激される環境があり、そこに魅力を感じています。
また、性別を問わず仕事と育児を両立できる職場環境も魅力です。育児休業は3歳になるまで、短時間勤務は小学3年生になるまで取得できます。私は、働く感覚を忘れないため子どもが1歳になる前に仕事復帰し、現在は短時間勤務を利用しています。こうした制度の充実に加え、職場の皆さんの理解と協力にも感謝しています。職場環境が整っているためか、私の周囲には原子力機構内で出会って結婚した夫婦が大勢います。

就職活動の際、原子力機構については「名前を聞いたことがある」という程度の認識でしたが、研究室の先輩が勤務していることから興味を持ちました。放射性廃棄物の処理・処分というとマイナスイメージを持たれるかもしれませんが、放射性物質がある限り必要とされ続ける分野であり、誰かがやらなければならない仕事です。一つの課題に腰を据えて取り組み、何十年も先にその成果が表れるところにバックエンド事業の面白さを感じ、志望しました。

現在担当している業務実績評価は、バックエンド事業に関する幅広い知識を求められますが、私自身まだまだ知識不足です。今後は業務に直結する知識はもちろん、原子力に関する広範な知識を習得し、技術職として成長していくことを目指します。
また、子どもが社会に巣立つまで責任をもって育てることは私の大切な仕事です。仕事と育児のバランスをとり、今後出産を経て職場復帰する人たちの手本になりたいと思っています。

リフレッシュのため、休日はよく外出します。子どもをベビーカーに乗せて近所を散歩し、お昼ご飯を食べて帰宅するのがお決まりのコースです。いつもは車で通りすぎる道も、子どもとゆっくり歩くといろいろな発見があります。また、ネモフィラやコキアの季節には、ひたち海浜公園までちょっと足を延ばします。茨城県は野菜や魚が新鮮で安いため、食べる楽しみも増えました。これから子どもの成長に合わせて、観光やキャンプなど行動範囲を広げていくつもりです。

自分の時間を自由に使える学生のうちに、たくさん勉強し、一生懸命遊んでください。そして、この先の長い人生をどう過ごしたいか、考えてみてください。原子力機構の技術職というと、巨大な原子炉を動かすような仕事を想像するかもしれませんが、実際には大学の研究室の延長のような職場で、私のようにパソコンに向かっている仕事もありますので、気負う必要はありません。また、仕事もプライベートも充実させたい方には、原子力機構の職場環境は魅力的だと思います。性別を問わず、仕事と家庭を両立させるための制度が充実しています。