ホーム > 技術開発成果の紹介 > 成果と知的基盤技術 > 分析・計測 > 放射線管理関連における技術開発 > 微弱放射線測定技術の開発

ホスウィッチ型高効率検出ユニットの開発

目的pageTop

放射性廃棄物などの汚染を効率よく測定するためには、大面積の検出器が必要とされます。これまでは、安価で加工性が優れるため、プラスチック検出器が選択されてきました。しかし、プラスチック検出器ではγ線のエネルギーに関する情報が乏しく、低いエネルギーのγ線に対しては検出感度が悪いという欠点をもちます。当研究室では、ホスウィッチ型のγ線検出器とすることで、とくに低エネルギー領域における検出感度の向上を図りました。

ホスウィッチ型高効率検出ユニットpageTop

20cm x 20cmの入射面をもつCsI(Tl)/BC-400ホスウィッチ型検出器を示します。プラスチックシンチレータの前面に、5cm角のCsI(Tl)のタイル16枚を貼り合わせた構成としました。シンチレータの厚さは、それぞれCsI(Tl)では3mm、BC-400では5cmとしました。


図1:CsI(Tl)/BC-400ホスウィッチ型検出器

検出限界放射能の比較pageTop

プラスチックシンチレータの検出限界放射能(図中の点線)と本検出器の性能を比較しました。ここでは、3つの測定モードについて評価しました。全グロス計数以外のモードでは、CsI(Tl)シンチレータだけで起こった信号を分けて扱うため、信号パルスの立ち上がり時間によるパルス波形弁別を行いました。いずれの測定モードにおいても、とくに200keV以下のγ線エネルギー領域で低い検出限界が達成されました。


図2:プラスチックシンチレータの検出限界放射能と本検出器の性能の比較

参考文献pageTop

  • K. Yamasoto et.al., Nucl. Instrum. Meth., Sect.A. A550, 609-615(2005)
  • 堤 正博 他、JAERI-Research 2004-021 (2004).
  • 前のページへ戻る
  • ページの先頭へ
Copyright(C) Japan Atomic Energy Agency. All Rights Reserved.