原子力機構は、原子力留学制度*1や国際機関等への派遣制度*2を拡充させることにより、国際的な視野を身に付けた若手職員の育成に取り組んでいます。
原子力留学制度や国際機関等への派遣制度の他にも国内外における様々な研修*3を拡充し、外国語によるプレゼンテーションやディスカッション等の実用的なスキルを身に付けることにより、国際的視点を持った世界的に活躍できる職員の育成に力を入れています。
Akira NAKAYOSHI
Engineer
Commissariat à l’énergie atomique et aux énergies alternatives(CEA)
※取材時点の所属及び組織名称
燃料デブリ及びMCCI生成物の特性把握に関する研究を行っていました。
具体的な内容としては、福島第一原子力発電所の廃炉に向けた研究開発の一環として、水中での燃料 デブリの溶出挙動に関する研究です。
フランスの仲間たちはいつも気さくで、家に招待してくれたり、パーティに参加したり、一緒にスポーツをしたりと生活の面倒をよく見てくれました。一方、フランスの生活で一番衝撃的だったのはビズ(挨拶で頬にキス)です。初めは、同僚の女性達は外国人の私とは握手で挨拶していました。入念に練習を行い、声を掛けやすい女性に何気なく顔を出しスマートに成功してから、職場全員とビズができるようになった時の達成感は忘れられません。
研究では、CEAで過去に実施された大型MCCI試験で作製された試験体の一部を用いてホットセル試験を実施し、試験体(MCCI生成物)から水中に溶出する元素の挙動について知見を得ることができました。
現地の研究者や試験・分析担当者らと日常的に議論を行い、日本人とは違った物の考え方や見方などの新しい発見があり、自分の知らない熱力学的アプローチ等、多くの専門知識を吸収することができ、とても刺激的な時間でした。
また、日本でも一部の施設でしかできない特殊なホットセル試験にも参画することができ、海外での核物質の取扱いを肌で感じることができました。これらの研究は今後の国際協力に役立つと考えます。