原子力機構は、原子力留学制度*1や国際機関等への派遣制度*2を拡充させることにより、国際的な視野を身に付けた若手職員の育成に取り組んでいます。
原子力留学制度や国際機関等への派遣制度の他にも国内外における様々な研修*3を拡充し、外国語によるプレゼンテーションやディスカッション等の実用的なスキルを身に付けることにより、国際的視点を持った世界的に活躍できる職員の育成に力を入れています。
Shiho ASAI
Researcher
Technische Universität Wien
※取材時点の所属及び組織名称
環境汚染物質や核物質などの微量な無機物質の高感度計測を研究対象とする「ウィーン工科大学無機微量分析化学研究室」に留学し、“核物質中に含まれる不純物の新規な分析手法の開発”をテーマに共同研究を行いました。
研究室では、発見・押収された核物質の産地や移送ルート等の特定を目的とする「核鑑識」に役立つ計測手法の開発を進めました。
本研究では、岩石や鉱石中に含まれる希土類元素群の存在度パターンが産地に特徴的であることに着目し、レーザーと質量分析計を組み合わせた装置(LA-ICP-MS)を用いて、固体中に濃縮させた希土類元素を効率よく検出する手法の開発を手がけました。
オーストリアには、国際原子力機関(IAEA)の本部の他、首都ウィーンから約40 kmはなれた場所(サイバースドルフ)にも研究施設があり、IAEAに所属する研究者の方々と互いに研究の進捗報告をするなど、大学外の研究者との交流を通じて視野を広げることができました。また、学科内での研究発表や学内セミナーでの発表もあり、プレゼンテーションの機会に恵まれ、国内では得られない貴重な体験となりました。