廃棄体基準への適合
原子力科学研究所の放射性廃棄物を処分するためには、法令に定められた技術基準に適合させる必要があります。
この廃棄体の技術基準に適合させるための技術開発等を行っています。
廃棄体の技術基準は法令によって定められています。
- ①定められた方法で、容器に封入または容器に固型化されていること。
- ②放射能濃度が申請した最大放射能濃度を超えないこと。
- ③表面の放射性物質の密度が表面密度限度の1/10を超えないこと。
- ④廃棄体の健全性を損なうおそれのある物質を含まないこと。
- ⑤埋設したときに受ける荷重に耐える強度があること。
- ⑥著しい破損がないこと。
- ⑦廃棄体表面の目につきやすいところに、放射性廃棄物を示す標識や整理番号が表示されていること。
原子力科学研究所で製作する廃棄体が、これらの技術基準をクリアしていることを確認するための技術開発として、
以下の開発を実施しています。
- ○廃棄体の放射能濃度を簡易・迅速に決定する手法の開発 (技術基準②)
- ○廃棄体作製マニュアル整備及び測定手法の開発(技術基準①、②及び④)
放射性廃棄物情報管理システム*
放射性廃棄物を処分する際には、内容物、汚染核種、含まれる放射能などを示し、国の確認(廃棄体確認)を受ける必要があります。
原子力科学研究所で発生する放射性廃棄物が、いつ、どのような施設で発生し、どのような処理を行って廃棄体としたのかを的確に記録提示できるよう放射性廃棄物情報管理システムを構築し、1個ずつ管理しています。
- 廃棄物管理用ICタグの導入
ICタグは、一度に大量に処理される放射性廃棄物の履歴管理(トレーサビリティ)を確実に行う事を目的に多量に発生する物に導入。(作業員の目視確認だけでなく、ハンディ端末での機械的確認)
- 利用者に合わせたシステム設定
利用者に合わせた画面設定(機能の選択)を行える機能を完備
- 電磁的記録による保存に適合したシステム
放射性廃棄物個々の線量当量率、放射能量
等の一般的な情報を登録保存するとともに、処理方法、処理条件等の廃棄体の品質管理
情報についても保存・管理し、法令に定め
る電磁的方法による記録保存の基準に適合するようシステムの開発
*埋設処分に向けたデータベースシステム:
将来行われる埋設処分に向けて、廃棄体確認に必要な品質情報、履歴情報をもれなく登録するデータベースシステム。