フォーラムの開催目的

鈴木理事長による冒頭挨拶
日本原子力研究開発機構は、核不拡散政策に関する一般社会への理解促進と国際貢献を目的として、毎年、原子力平和利用と核不拡散に係る国際フォーラムを開催し、その時々の今日的な課題に焦点を当てた講演やパネルディスカッションを通じて、原子力平和利用と核不拡散の両立に係る種々の課題や方策について国内外の理解を深めるとともに、我が国及び原子力機構の核不拡散への取り組みを紹介している。
現在の核不拡散と原子力平和利用を巡る課題の一つは、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(福島原子力事故)に起因する日本における原子力安全の確保と核セキュリティ対策の強化である。特に核セキュリティについて、2010年4月ワシントンで開催された核セキュリティサミットでは、核物質や原子力施設の管理体制の強化や、今後4年以内の国際的管理体制の確立等を内容とするコミュニケ及び作業計画が採択されたところであり、核セキュリティ対策に係る今後の日本を含む各国の具体的アクションには世界が注目している。
このような状況を踏まえ、平成23年度の国際フォーラムは、福島原子力事故を契機に米国等から示された原子力発電所の核テロに対する核セキュリティ強化方策と、継続的で健全な原子力の平和利用の発展を実現する観点から、原子力安全と核セキュリティ対策の総合的アプローチ等について議論し、2012年の韓国ソウルにおける核セキュリティサミットに向けたメッセージを発することを目指して開催した。
フォーラムの概要
- 開催日時:
- 平成23年12月8日(木) 10:00〜17:00、12月9日(金) 9:30〜12:00
- 開催場所:
- ベルサール飯田橋ファースト ホールA(東京都文京区後楽)
- 主催:
- (独)日本原子力研究開発機構
- 東京大学グローバルCOE
- (財)日本国際問題研究所
- 参加者数:
- 約300人
結果報告
プログラム/配布資料
平成23年12月8日(木)
基調講演及び特別講演
冒頭挨拶
- 鈴木 篤之 日本原子力研究開発機構理事長
基調講演
- 『福島原発事故から見えた原発のセキュリティと安全性』
- 末松 義規 内閣総理大臣補佐官(東日本大震災復興対策、少子化対策及び自殺対策担当)
- 『福島原子力事故の評価と教訓』
- ドゥニ フローリィ 国際原子力機関(IAEA)原子力安全・セキュリティ局事務次長
特別講演
- 『原子力安全と核セキュリティのインターフェースへの統合的アプローチ-NRCの視点』
- マーク ダパス 米国原子力規制委員会(NRC)核セキュリティ・事故対応局副局長
- 『欧州連合における原子力安全と核セキュリティ』
- ディディエ アース 欧州委員会/共同研究センター(EC/JRC)総局長顧問
- 『2012ソウル核セキュリティサミットの展望』
- ハン ジョンヒ 韓国外交通商省2012核セキュリティサミット・サブシェルパ
パネル討論1
「原子力施設における核セキュリティ」
- 論点
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- 核セキュリティ対策の指針としてのIAEA基本文書・勧告文書と国内対応
- 「核セキュリティ確保に対する基本的考え方」を進めるために
- 核セキュリティの観点からの福島原子力事故の教訓と課題
- 核セキュリティ対策上明らかになった脆弱性
- 緊急時における核セキュリティ対策
- 原子力施設の核セキュリティ対策のあり方
- 重大事故を引き起こす可能性のある核セキュリティ上のリスク評価
- 核セキュリティ対応における国と事業者の責任と役割
- 核セキュリティ対策の指針としてのIAEA基本文書・勧告文書と国内対応
- モデレータ
- パネリスト
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- マーク ダパス 米国原子力規制委員会(NRC)核セキュリティ・事故対応局副局長
Vulnerability and performance assessment in nuclear security in the US NRC - ドゥニ フローリィ 国際原子力機関(IAEA)原子力安全・セキュリティ局事務次長
『Nuclear Security @ civil nuclear facilities』 - ディディエ アース 欧州委員会/共同研究センター(EC/JRC)総局長顧問
『Nuclear Safety and Security Strategies for Nuclear Facilities in the European Union』 - ハン ジョンヒ 韓国外交通商省2012核セキュリティサミット・サブシェルパ
- 持地 敏郎 日本原子力研究開発機構 核物質管理科学技術推進部長
『「核セキュリティの確保に対する基本的考え方」(原子力委員会/原子力防護専門部会作成)の概要』
『核セキュリティに係る事案の発生時の対応について』 - 中込 良廣 原子力安全基盤機構(JNES)理事長
『Why was the Security Information Opened to the Public at Fukushima NPP Accident?』
『Current Discussions on Treatment of INFCIRC/225 (Rev.5) and Insider Issues in Japan』 - 上坂 充 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授
- マーク ダパス 米国原子力規制委員会(NRC)核セキュリティ・事故対応局副局長
- 補足情報
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『福島第一原子力発電所事故後の核セキュリティ強化について』
『内部脅威対策の一例 −秘密情報管理−』 - モデレータによるパネル討論1のサマリー
レセプション
- 於:ベルサール飯田橋ファースト ROOM(B1)
平成23年12月9日(金)
パネル討論2
「原子力安全と核セキュリティ対策の総合的アプローチ」
- 論点
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- 原子力安全と核セキュリティ、核セキュリティと核不拡散(保障措置や計量管理も含む)のインターフェースとシナジー効果
- 新興の原子力利用国における原子力安全、核セキュリティ及び核不拡散への取り組み。その一つとしての国際及び地域協力の有効性
- 2010年4月の核セキュリティサミットの論点と結果レビューとその後の各国の取り組み
- 2012年ソウル核セキュリティサミットに向けたメッセージ
- モデレータ
- パネリスト
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- 遠藤 哲也 日本国際問題研究所「新しい核の秩序構想タスクフォース」座長
Rational Strategy on 3S - コイルール フダ インドネシア原子力規制庁副長官
- ジョン ボングン 韓国外務・国家セキュリティ機構核不拡散センター部長
『Synergy between Nuclear Security & Safety at the 2012 Seoul Nuclear Security Summit』 - 久野 祐輔 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授(委嘱) / 日本原子力研究開発機構 核物質管理科学技術推進部次長
『Study on Sustainable Regional Nuclear Fuel Cycle Framework from Nuclear Non-Proliferation Viewpoint』 - ケネス ルオンゴ 米国核不拡散・核セキュリティ関係シンクタンク Partnership for Global Security プレジデント
『Creating a Nuclear Security and Safety Regime for the 21st Century』 - 千崎 雅生 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長
『The Nuclear Security Summit and Its Follow Up:Japan's Actions and Contributions to the Strengthening of Nuclear Security』 - ティムール ジャンチキン カザフスタン原子力委員会議長
『Republic of Kazakhstan 2011 - Nuclear safety and security』
- 遠藤 哲也 日本国際問題研究所「新しい核の秩序構想タスクフォース」座長
- モデレータによるパネル討論2のサマリー