
廃止措置モックアップ試験フィールドは、廃止措置解体技術検証フィールドとレーザー加工高度化フィールドで得た研究成果や地元企業が自社開発した切断技術等のふげんで使用した実機材やモックアップ部材による検証・実証、さらに解体作業の事前確認、体験・習得等の場として利用できます。
本試験フィールド(モックアップ試験室)には、「水中技術実証試験エリア」と「気中技術実証試験エリア」があります。
水中技術実証試験エリアには、高さ約10.5mの円筒型プールが設置されており、円筒型プールには、7軸遠隔水中ロボットを常設してあります。円筒型プールの水位は、試験条件に合わせて10m以下で任意に調整ができ、プールの水については循環及び浄化システムが備えられています。
これら整備された装置を使用して、例えば、遠隔多関節水中ロボットの先端に、レーザー切断ヘッドを取り付けて、放射線量が高くなる原子炉構造材の模擬材を円筒型プール内に設置して切断実証試験を行うことで、各種データの取得や解体手順の構築・確認をすることができます。
他にも、原子炉施設には同様の多くの貯蔵タンク等が存在しており、これらの解体や溶接作業等の作業環境を模擬でき、安全かつ効率的な作業方法を事前に確認・習得することができます。
気中技術実証試験エリア(気中技術実証試験室)は、天井高さ約4m×幅5m×奥行7mの規模があります。気中技術実証試験室には、排煙浄化装置を常設しており、切断等で発生するヒュームや粉じん等を処理し、室内の清浄度を維持できるように作業環境にも配慮しています。
ここでは、6軸遠隔気中ロボットによる遠隔での切断実証や汎用のダイヤモンドワイヤソー等の切断工具や研磨工具等を使用して、「ふげん」で実際に使用していた実機材や模擬材を使用して切断作業や除染作業等を体験することができます。また、地元の各企業が独自に開発した切断等の工具や各種装置等の実証をすることも可能です。さらに、実際に管理区域で使用しているグリーンハウスや防護具等を用いて解体現場を再現し、作業管理の体験・実習等に利用することも可能です。
廃止措置作業では、供用中と同様の安全管理や作業管理が求められます。本フィールドは、これから廃止措置ビジネスへの参入を計画されている地元企業にも、解体作業(切断・分解)や除染作業等を事前に確認・習得する場として活用していただけます。また、自社開発した装置や工具等が実際の現場において、使用可能かどうか等を検証するにも大いに役立つと考えられます。
【気中技術実証試験エリアの用途】
気中技術実証試験エリアの主要設備
各種切断試験(イメージ)
●仕様の説明
(1)水中技術実証試験エリア
(2)気中技術実証試験エリア
(3)共用装置
●能力の説明
円筒型プール
7軸遠隔水中ロボット
6軸遠隔気中ロボット
高出力レーザー切断装置
小型手動式ウェットブラスト除染装置