国際協力

国際協力について

 当センターは、3つの方針を掲げ、国際協力を展開しています。また、原子力技術開発・向上のために世界の原子力関係者が集う国際拠点を形作ることを目指しています。

研究開発のための国際協力

 国際会議や人材交流を通じ、各国の専門家同士がナトリウム取扱技術、レーザー技術や廃止措置技術などの知識と経験を分かち合うことを推進し、原子力技術の更なる向上に努めています。

原子力専門家の育成のための国際協力

 原子力技術を学び、発電所建設を目指す国々に、研修を通じて原子力の技術・経験を伝え、各国の原子力専門家の育成を支援しています。

原子力分野の国際ネットワークの構築

 国際会議の開催や留学生・研修生の受入れを通じて、世界に通用する人材を育成・集結し、原子力分野の国際ネットワークの構築を目指しています。

国際協力のイメージ図

研究開発のための国際協力

 当センターは、敦賀拠点における高速炉技術開発や教育訓練に関する国際会議の開催を通じて、国際協力の推進及び調整などを行っています。

 また、原子力技術開発に関する多くの経験を持つ国々とは、これまでの互いの成果や経験を取り入れるとともに、専門家同士が専門知識を分かち合って、原子力技術の更なる向上を目指しています。

 JAEAとCEAは2006年から、ナトリウム取扱技術について日仏の研究者が情報交換をする「トピカル・セミナー」を日仏交互に開催しています。

 2018年度には、第6回となるトピカル・セミナーを日本・敦賀の地で開催し、「もんじゅ」の廃止措置を本格的に開始したことを背景として、Na処理、Na機器解体など廃止措置に関連して研究開発ニーズが生じたテーマを中心に、「高速炉・新型炉」の研究開発とそれらの研究開発に携わる人材育成に関する発表・意見交換を行いました。

 また、本セミナーは両機関の職員に加え、国際的な人材育成の観点から、大学からの参加も募り、若手研究者に発表・議論の機会を与える場としています。第6回では、機構との共同研究を実施している福井大学や福井工業大学の参加者を交え、開催しました。

 2019年度は、第7回となるトピカル・セミナーをフランスのカダラッシュ研究センターで開催し、運転・保守・廃止措置におけるナトリウムの化学的リスクを主なテーマとし、ナトリウム中の放射性物質の振舞い方の予測、廃止措置時のナトリウム処理の方法など、両機関が取り組んでいる研究についての発表・意見交換を行いました。

 第7回では、日仏の大学セッションを初めて設けました。フランス側は、エクス=マルセイユ大学、グルノーブル国立工科大学、トゥールーズ国立工科大学、日本側は、福井大学が参加し、テレビ会議システムを通じて各大学の教育プログラム、研究内容について情報交換を行いました。

ナトリウム冷却高速炉の廃止措置に関する教育・訓練に関するセッションの様子

ナトリウム冷却高速炉の廃止措置に関する教育・訓練に関するセッション

原子力専門家の育成のための国際協力について

 当センターは、アジア諸国の方々を対象とした国際研修を行っています。また、外国人留学生を受け入れて、研究テーマに沿った実習や研究者との意見交換の機会を設けています。

アジアの原子力人材育成

 各国の原子力関係者を我が国に招聘し、研修、セミナーを行うことにより、専門家として活躍する技術指導者の育成事業を行っています。

 敦賀地区においては、平成18年度から研修を行ってきました。当センターでも引き続き研修を開催しており、研修生は母国の政府機関や研究機関で技術者や研究者として原子力分野に貢献しています。

 令和元年度は、以下の研修を実施しました。

令和元年度の研修

アジアからの研究員の受入れ

 文部科学省は、アジア諸国の原子力研究者・技術者を招へいし、日本国内の原子力施設立地地域などをアジア諸国の 国際交流の拠点とする取組を行っています。

 当センターは、原子力機構の敦賀地区の各施設が研究者・技術者を受け入れられるよう、様々な支援を行うことを通じて、上記の取組に協力しています。

研修の写真

研修の様子

 研修中は「ふげん」「もんじゅ」や福井県内の原子力関連施設の現場見学、机上教育を行います。

外国人留学生の受入れ

 欧州等から我が国に来た留学生を原子力機構の「学生実習生」として受入れ、学生実習生が研究テーマに沿って、原子力機構の施設見学や研究施設を用いた実習等を経験していただいています。実習を終えた学生実習生の中には、福井県内の大学への留学等により、福井県を再び訪れる方もいます。

学生実習の写真

学生実習の様子