高温ガス炉とこれによる熱利用技術の研究開発
高温ガス炉とは
- ヘリウムガスで950℃の熱を取り出す原子炉
- 水素製造、発電及び海水淡水化を組み合わせたカスケード熱利用により80%の熱を利用可能
優れた安全性
高温工学試験研究炉「HTTR」仕様
- 原子炉出力: 30MW
- 冷却材:ヘリウムガス
- 原子炉入口/出口冷却材温度 :395/850, 950℃
- 炉心構造材:黒鉛
- 燃料:二酸化ウラン・被覆粒子燃料
HTTR安全性実証試験
試験手順
- 原子炉出力30%(9MW)
- ガス循環機を停止し、原子炉を冷却している1次冷却材の流れをゼロにする。 → 原子炉を冷却しない!
- 原子炉のスクラム操作をしない。(制御棒を挿入しない) → 原子炉の停止操作をしない!
試験結果
- 炉心流量がゼロになると原子炉は自然に停止
(スクラム操作不要) - その後時間が経過しても安定
(燃料は壊れず、大事故への進展なし)
なにもしなくても安全!
さらに詳しく→ 高温工学試験研究炉部
水を原料とした水素製造技術 ―熱化学法ISプロセス―
原理と特徴
- ■水の熱分解:
- 4000℃以上の高温熱が必要
- ■熱化学法ISプロセス:
- ヨウ素(I)と硫黄(S)の化学反応により約900℃の温度で水の熱分解が可能
・高温ガス炉との組合せ→炭酸ガスの排出なし
連続水素製造試験装置
- ●30㍑/時で連続150時間の水素製造試験に成功(平成31年1月)
- ■試験目的:
- 実用装置材料製機器の信頼性及び連続水素製造性能の確証
さらに詳しく→ 高温ガス炉と水素・熱利用研究