国際協力
大洗原子力工学研究所では、さまざまな分野で国際協力を行っています。
海外若手研究者等のためのJMTRオンサイト研修
材料試験炉部では、原子力基礎・基盤技術の強化に向けた国際協力体制を構築するとともに、海外研究炉と相互協力を通じた人材交流・育成を行っています。その一環として、2012年から海外若手研究者・技術者を対象として、原子力人材確保の拡大とその育成に貢献し、また、将来の照射利用の促進を図ることを目的とした体験型実践研修を実施しています。
研修では、原子力の基礎理論やJMTRにおける照射利用、安全管理等に関する講義を行った後、照射利用のための核・熱設計、シミュレータを用いた原子炉や照射設備の運転、JMTRホットラボでの照射済試料の取扱い等に関する実習を行っています。
高温ガス炉分野
二国間協力
ポーランド:国立原子力研究センター | 高温ガス炉実験炉計画への協力 |
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英国:原子燃料企業URENCO社 | 電力・熱併給商用高温ガス炉U-Battrey計画への協力 |
米国:エネルギー省 | 民生用原子力研究開発ワーキンググループに参加 |
韓国:韓国原子力研究所 | 研究成果に関する情報交換 |
中国:清華大学INET | 研究成果に関する情報交換 |
多国間協力
経済協力開発機構原子力機関 | HTTR共同試験の実施 |
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国際原子力機関 | ガス冷却炉技術ワーキンググループへの参加 |
第4世代原子力システム国際フォーラム | 超高温ガス炉の水素製造、燃料、燃料サイクル及び計算手法検証・ベンチマークの各プロジェクトに参加 |
次世代高速炉開発分野
次世代のナトリウム冷却高速炉について、第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)などの多国間協力の枠組みや、仏国、米国、カザフスタンとの二国間で、安全性、プラント設計、解析モデル開発、材料開発など、様々な分野で研究協力や計画作りを進めています。
GIFナトリウム冷却高速炉研究分野
炉心の著しい損傷を伴うような重大な事故(シビアアクシデント)等が生じても炉心を安全に冷やせることを確かめるため、大洗のナトリウム施設(AtheNa)を利用した試験を行う計画を進めています。
仏国の高速炉技術実証炉ASTRIDの開発に我が国も協力を行っています(平成26年8月から開始)。
カザフスタンの実験施設を利用して炉心が溶融する重大事故を模擬した共同研究を行っています。
原子炉に用いる先進材料やプラントシミュレーションの方法などについての研究協力を行っています。
「常陽」における国際協力と国際的な人材育成
「常陽」では、国際的な協力の下、高速炉開発のための試験を行っています。
- フランスが開発した材料を使用した燃料の「常陽」での試験結果
(X線CTによる集合体の断面図) - 長期間使用後の燃料の健全性を確認