平成29年9月29日(金)更新
深度350m調査坑道の
試験坑道5
においてオーバーパック溶接部腐食試験(
平成27年1月16日掲載記事
、
平成27年10月1日掲載記事
参照)を実施していましたが、この度、試験に用いていた試験体(模擬オーバーパックおよび緩衝材から構成)を試験孔から取り出しました(写真1、動画)。本試験体は、模擬オーバーパックの溶接部における腐食挙動を把握することを目的に平成27年1月から、約2年8か月にわたり試験を継続しました。
今後、試験体の緩衝材を取り除き、模擬オーバーパックの溶接部における腐食挙動について調査・分析するとともに、これまでの計測結果との比較を通じて検証等を行います。
写真1 試験体取り出しの様子
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平成29年9月22日(金)更新
平成29年9月13日から15日の日程で、北海道大学において、「日本原子力学会2017年秋の大会」が開催されました。幌延深地層研究センターからは4名が「放射性廃棄物処分と環境」のセッションに参加し、幌延深地層研究センターで実施している地質環境の長期安定性、物質移行試験*1および低アルカリ性セメントの開発*2に関する成果について発表しました(写真1)。
本大会は、全体で900件以上の発表があり、1,700名以上が参加し、活発な議論が行われました。
*1 物質移行試験とは…
地下環境で物質がどのように移行するのかを調べるために,地下水にトレーサー(目印として混ぜる染料やその他の薬品)を流し、トレーサーが流れる方向や時間などを調べる試験。なお、幌延深地層研究センターでは、トレーサーには一般的な試薬を用い、放射性トレーサーを利用した試験を行うことはありません。
*2 低アルカリ性セメントの開発とは…
原子力機構では、セメント材料が天然バリア(岩盤)および人工バリア(緩衝材など)に与える影響を低減することを目的としたセメントを開発し、地下施設での施工およびその後の影響について調べています。
写真1 研究発表の様子
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平成29年9月22日(金)更新
「日本原子力学会2017年秋の大会」に伴い、平成29年9月16日に幌延深地層研究センターの見学会が開催されました。当日は、休日にも係わらず多くの方にご参加頂き、深度350m調査坑道(
試験坑道4
)にて実施している
人工バリア性能確認試験
や各種試験・調査の実施状況についてご見学いただきました(写真1,2)。
また、同日に、日本原子力学会熱流動部会若手セミナーが国際交流施設にて開催され、セミナーの参加者も地下研究施設をご見学いただきました。
写真1 見学会の様子
写真2 見学会の様子
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平成29年9月15日(金)更新
平成29年9月13日(水)~14日(木)に、幌延町において、放射性廃棄物地層処分等に関する国際ワークショップを開催しました。本会議は、二酸化炭素地下貯留、地下水及び放射性廃棄物地層処分に関する研究についての情報交換を目的に実施するものです。
9月13日(水)には、幌延深地層研究センターで実施している地層処分技術に関する研究開発の現状について紹介を行うとともに、地下研究施設の
深度350m調査坑道
および
地層処分実規模試験施設
などを見学しました。
9月14日(木)には、幌延深地層研究センター
国際交流施設
で会議を行いました(写真1)。会議には、原子力機構のほか、産業技術総合研究所および韓国地質資源研究院などから23名が出席し、二酸化炭素地下貯留、地下水及び放射性廃棄物地層処分に関する研究についてそれぞれの機関で実施している研究の報告が行われたほか、各研究機関の専門家による意見交換が行われました。
写真1 会議の様子
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平成29年9月8日(金)更新
深度350m調査坑道
では、これまでに健岩部(岩盤中に割れ目がない領域)や割れ目を対象として地下での物質の動きを把握するための試験を行ってきました(
平成27年9月11日掲載記事
、
平成29年1月20日掲載記事
参照)。
今年度は、堆積構造に伴い岩盤の特性が方向によって異なることを考慮し、この違いが健岩部中での物質の動きに与える影響や、割れ目内における物質の移行形態を検証するために拡散試験を行う予定です。拡散試験に先駆けて、平成29年9月5日から、ボーリング孔掘削を開始しました(図1)。また、ボーリング孔掘削状況を写真1に示します。ボーリング孔掘削後は岩盤中の透水性(水の流れ易さ)を把握するために水理試験を行う予定です。
図1 ボーリング掘削箇所
写真1 ボーリング孔掘削状況
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平成29年9月1日(金)更新
緩衝材の流出挙動は、周辺岩盤の透水性に影響を受けると考えられています。
このため、
深度350m調査坑道
の試験坑道5で実施している緩衝材流出試験(
平成28年8月19日掲載記事
参照)において、直径58cmの試験孔に適用できる大型の止水プラグ(写真1)を使って、測定区間を区切り透水試験を行いました(図1)。
試験では、一定流量で注水を行い、測定区間の圧力(水圧)を測定し、その後、段階的に注水流量を増加させ、流量と圧力の関係から周辺岩盤の透水係数を算出しました。今後、得られた透水係数とこのあとに実施する緩衝材の流出試験の結果について分析し、緩衝材の流出現象が生じる条件やメカニズムについて検討していきます。
写真1 止水プラグ(左)と試験孔内への設置状況(右)
図1 透水試験の概要
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