深地層研究計画の状況

平成27年10月の調査研究の状況

平成27年10月30日(金)更新

幌延深地層研究センターにおける地震観測 (7月~9月)

幌延深地層研究センターでは、地下施設の水平坑道と地表部(西立坑アクセスルーム)に地震計を設置し観測をしています( 平成27年4月3日掲載記事 平成27年7月17日掲載記事 参照)。
 2015年8月29日の午後3時0分に、幌延深地層研究センターの北東約12㎞地点で、マグニチュード2.8の地震が発生しました。気象庁発表の幌延町での震度は2でした。観測された最大加速度は、地表に比べ地下の350m坑道では6割程度となっています(図1)。
 2015年9月17日の午前7時54分に、チリ沖でマグニチュード8.3の地震が発生しました。この際、日本の太平洋岸で津波が観測されましたが、幌延深地層研究センターの地震計でも地震波を捉えることができました(図2)。幌延深地層研究センターでは、地震波を8時14分に観測しており、地球内部のおよそ13,000㎞を20分ほどで到達したことになります。なお、図2では観測された地震の加速度が小さいため、揺れの程度を速度で表示しています。

図1 2015年8月29日の地震の揺れ(加速度)の状況

図2 2015年9月17日のチリ沖を震源とする地震の揺れ(速度)の状況

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平成27年10月23日(金)更新

DECOVALEX-2015 第8回ワークショップの開催

平成27年10月13日~15日に、稚内市で、DECOVALEX-2015*の第8回ワークショップが開催されました。本会議には、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、韓国、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ、日本から31名の研究者 が出席しました。
 10月14日には、国際交流施設にて、幌延深地層研究センターで実施している人工バリア性能確認試験に関する熱-水-応力(-化学)の解析結果について、実測値との比較検討が行われました。また、地下施設の見学も行いました。

*1 DECOVALEX-2015 : International co-operative project for the DEvelopment of COupled models and their VALidation against EXperiments in nuclear waste isolation.とは…
 地層処分システムの性能評価において重要な課題の一つである熱-水-応力連成モデルの開発・確証を目的とした国際共同研究であり、1991年から断続的に行われています。現在の研究期間は2012年~2015年です。

写真 国際交流施設での会議の様子

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平成27年10月16日(金)更新

IAEA URFネットワーク技術会合を開催

平成27年10月5日(月)~8日(木)に、幌延深地層研究センター国際交流施設においてIAEA(国際原子力機関) URF(地下研究施設)ネットワークの技術会合を開催しました。
 IAEA URF ネットワークでは、地下研究施設に関する情報交換などを行うとともに、地層処分に関するワークショップやトレーニングコースを各国で開催しています。今回はその一環として「地層処分概念の基礎」をテーマとした会合を開催しました。
 本会合には10か国17名が出席し、各国の地下研究施設の調査研究や放射性廃棄物処分事業の現状に関する情報交換を行うとともに、地層処分概念の基礎に関する講義や演習を行いました。また、10月6日(火)には、幌延深地層研究センターの深度350m調査坑道および地層処分実規模試験施設を見学しました。

写真1 IAEA URFネットワーク技術会合の様子

写真2 深度350m調査坑道 試験坑道4の見学の様子

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平成27年10月9日(金)更新

第25回 OECD/NEA Clay Club定例会議に出席

平成27年9月24日(木)~25日(金)に、スペインのアルメリアにおいてOECD/NEA*1 Clay Club*2の第25回定例会議が開催されました。本会議には、ドイツ・ベルギー・イギリス・スイス・ハンガリー・日本・フランス・カナダから18名の研究者が出席し、各国での調査研究の現状に関する情報交換を行うとともに、来年から新規に計画されているプロジェクトの実施内容について議論しました。幌延深地層研究センターからは、深度350m調査坑道における調査研究として、今年の1月に開始した人工バリア性能確認試験の概要等を紹介しました。

*1 OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)とは…
 原子力発電を安全で環境に調和した経済的なエネルギー源として開発利用することを加盟諸国政府間の協力により促進する経済協力開発機構(OECD)傘下の国際機関。

*2 Clay Club(クレイ・クラブ)とは…
 OECD/NEAの放射性廃棄物管理委員会(RWMC)の下に置かれた常設ワーキンググループの1つであるセーフティーケース統合グループ(IGSC)のプロジェクト。

写真 定例会議の様子

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平成27年10月01日(金)更新

オーバーパック溶接部腐食試験のヒーター設置
(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

深度350m調査坑道( 試験坑道5 )では、オーバーパック溶接部腐食試験を行っています( 平成27年1月16日掲載記事 参照)。平成27年9月7,8日にてヒーター(長さ183cm、直径3cm)を設置しました(図)。
 写真1は試験体にヒーターを設置している様子で、写真2は設置後のヒーターの様子です。設置後にヒーターの試運転を行い、安全に動作することを確認するとともに、温度変化を計測しました。今回の温度計測データから、オーバーパックを目的の温度に加熱する条件を調整し、加熱試験を開始します。

写真1 ヒーターの設置状況
既設の模擬オーバーパック(中空)の中心部にヒーターを差し込みます。

写真2 ヒーターの設置完了

図 オーバーパック溶接部腐食試験イメージ図

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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