部門長挨拶
日本原子力研究開発機構の敦賀廃止措置実証部門における事業に関し、平素より多大なご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
「敦賀廃止措置実証部門」は、廃止措置を進めている「ふげん」「もんじゅ」それぞれのプロジェクトの管理や業務の安全、品質の保証等の統括機能を有する「敦賀廃止措置実証本部」、そして現場として作業を行う「ふげん」と「もんじゅ」が一体となって、敦賀地区での廃止措置事業を進める組織です。
「ふげん」につきましては、2003年3月に約25年間の運転を終了し、2006年11月に、原子力規制委員会に「新型転換炉原型炉施設廃止措置計画」を申請し、2008年2月に認可をいただきました。
「ふげん」の廃止措置計画は4段階で構成され、2017年には減速材として使用していた重水の搬出や重水系・ヘリウム系のトリチウム除去などの作業を完遂し、その第1段階「重水系・ヘリウム系等の汚染の除去期間」を完了しました。また、その作業と並行して原子炉冷却系統施設・計測制御系統施設等の解体としてタービン建屋内での解体撤去を中心に作業を進め、2017年度までにタービン建屋の主要機器の解体撤去を完了しました。
2018年度からは第2段階「原子炉周辺設備解体撤去期間」に移行し、原子炉格納容器内での原子炉冷却系等の解体撤去作業を順次進めてきております。同時に解体撤去物の物流ルートの整備や、次の「原子炉本体解体撤去期間」に向けて解体に必要な技術の開発や解体の進め方、作業の安全性の確認・検討などの諸準備を進めています。
「もんじゅ」につきましては、2016年12月の原子力関係閣僚会議にて示された「もんじゅの取扱いに関する政府方針」を受け、当機構は2017年6月に、「もんじゅの廃止措置に関する基本的な計画」を策定し「もんじゅ」の廃止措置への移行を決定しました。同年12月には、原子力規制委員会に「高速増殖原型炉もんじゅ原子炉施設廃止措置計画」を申請し、2018年3月に認可をいただきました。
「もんじゅ」の廃止措置計画は4段階で構成され、2023年度より第2段階となる「解体準備期間」に入っております。
2022年度までの第1段階「燃料取出し期間」では原子炉にあった370体、炉外の燃料貯蔵槽にあった160体、合計530体の使用済燃料全てについて計画に沿って無事に燃料池への移送を完了し、第2段階への移行と、そこで予定している作業が安全・円滑に進められるよう、組織体制の見直しやマニュアルの整備など事前の準備を着実に実施しました。
第2段階では2031年度にかけて、主に炉心に残るしゃへい体等の取り出しやナトリウムの運び出し、水・蒸気系の設備の解体を進めて参ります。これからは本格的な解体作業が始まることになりますので、作業における現場の安全管理をはじめ、しっかりとした安全対策を施した上で取り組んでまいる所存です。
当機構がこれらの事業を進めるためには、国民の皆様、特に地元の皆様からの信頼が何よりも重要と認識しており、信頼を得、そして応えられるよう安全最優先に廃止措置作業を進めてまいります。また、この敦賀地区が廃止措置にかかる技術開発の実証拠点となって地元産業の発展に繋がるように、着実に事業を推進していく所存です。
今後とも、皆様のご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。