新しい研究炉が拓く
  科学イノベーション

新試験研究炉推進室

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「もんじゅ」サイトに設置する
新試験研究炉について

新試験研究炉は、放射線の一種である「中性子」を利用して様々な研究開発を行う実験施設です。

平成28年に高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が政府の決定により廃炉されることになりました。
これに伴い、新たな原子力分野の研究開発や人材育成の中核的拠点とすることを目指して、「もんじゅ」サイト内に新たな試験研究炉を設置することが決まりました。このページでは、新たに設置される試験研究炉について、ご紹介しています。

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試験研究炉とは様々な分野で利用できる試験研究炉

自然界で最も重いウランが「核分裂」反応を起こすと、いくつかの粒子が熱と共に放出されます。

放出される粒子の一つである中性子は、ウランが核分裂する引き金の役割を果たし、核分裂反応が原子炉の中で次々と連鎖的に発生します。核分裂反応の数が原子炉内で一定に保たれる状態(臨界状態)に制御すると、原子炉を安定して動かすことができます。原子力発電所は、核分裂反応で放出される熱を使って発電しています。

核分裂反応を仲立ちする中性子は、物質を透過する能力を持っています。そのため、いろいろな物を壊すことなくその物の構造や、中で起きている現象を透視できます。さまざまな物を透視したり、その構造を観察することによって、より良い製品に改良したり、まったく新しい製品を産み出すことが可能になります。

また、原子炉の安全性や性能を高めるには、実際の原子炉の中の状況に合わせて実験することが理想的です。さまざまな放射線が飛び交う原子炉の中に試験用のサンプルを置き、サンプルに起きた変化から、安全性を検証することができます。あわせて、試験研究炉を実際に運転することにより、原子炉を安全に運転するための人材育成なども進めていきます。

試験研究炉に期待される役割

新しい試験研究炉は、新たな原子力分野の研究開発や人材育成の中核的拠点となっていくことを目指しています。中性子を活用したさまざまな基礎的な研究をはじめ、革新的な研究開発、医療用RIに関する研究、原子力の安全性研究といった研究開発だけでなく、地域産業との連携や共生、原子力の教育などへの貢献が期待されています。

SDGsに貢献する新試験研究炉

これまでの経緯

平成28年の原子力関係閣僚会議において、高速増殖原型炉「もんじゅ 」の廃止措置とともに、「もんじゅ」サイト内に試験研究用の原子炉を設置することが決まりました。
文部科学省では、平成29年度から令和元年度まで、「もんじゅ」サイトにどのような試験研究炉を設置するか等に関する調査を実施しました。

「もんじゅ」サイトの地理的状況から、具体的な原子炉の仕様や建設コスト、利用のニーズや用途等を検討の上、候補となる試験研究炉の炉型が整理されるとともに、試験研究炉の運営体制が検討されました。

これらの調査結果を踏まえて、文部科学省に設置された原子力科学技術委員会原子力研究開発・基盤・人材作業部会で議論がなされた結果、西日本における原子力分野の研究開発・人材育成の中核的拠点としてふさわしい機能の実現、地元振興への貢献の観点から、「もんじゅ」サイトに新たに設置する試験研究炉として、中性子ビーム利用を主目的とした中出力炉が最も適切であるとの方向性が示されました。

これを受けて、文部科学省により「もんじゅサイトに設置する新たな試験研究炉の概念設計及び運営の在り方検討」の公募が行われ、原子力機構、京都大学及び福井大学が委託事業の中核的機関に採択されました。委託事業では、具体的な研究炉概念や運営に関する検討が行われています。

Facility

施設の紹介

新試験研究炉は中性子を活用した、さまざまな基礎的な研究をはじめ、革新的な研究開発、医療用RIに関する研究、原子力の安全性研究といった研究開発とともに、地域産業との連携や共生、原子力の教育などへの貢献が期待されています。