廃 止 措 置 実 施 方 針
(原子力第1船原子炉)
平成30年12月
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
青森研究開発センター
一 氏名又は名称及び住所
氏名又は名称 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
住 所 茨城県那珂郡東海村大字舟石川765番地1
二 工場又は事業所の名称及び所在地
名 称 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
青森研究開発センター
所 在 地 青森県むつ市大字関根字北関根400番地
三 原子炉の名称
名 称 原子力第1船原子炉
四 廃止措置対象施設及びその敷地
1.廃止措置対象施設
廃止措置対象施設は、原子力第1船原子炉施設であり、解体届に基づき解体した施設機器及び保管建屋の原子炉室保管棟内原子炉室保管室に保管されている原子炉本体、原子炉冷却系統施設等を含む原子炉室一括撤去物並びに附帯陸上施設の核燃料物質の取扱い施設及び貯蔵施設、放射性廃棄物の廃棄施設、放射線管理施設、その他原子炉の附属施設である。
2.敷地
附帯陸上施設を設置する場所は青森県むつ市大字関根字北関根、北緯41°21′東経141°14′の地点で、下北半島の津軽海峡に面した海岸の中央部である。敷地の面積は約14万m2である。図1に敷地範囲を示す。

図1 関根施設敷地図
3.廃止措置対象施設の状況
(1) 事業の許可等の変更の経緯
設置許可、変更許可の経緯
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申請年月日 |
許可年月日 |
許可番号(認可番号) |
備 考 |
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昭和42年4月3日 (昭和42年9月11日一部補正) (昭和42年9月26日一部補正) (昭和42年10月12日一部補正) |
昭和42年11月21日 |
42原第5489号 |
原子力第1船の設置 |
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昭和44年10月14日 |
昭和44年11月13日 |
44原第5411号 |
安全保護回路の変更 |
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昭和45年8月14日 (昭和45年8月27日一部補正) |
昭和45年10月31日 |
45原第5859号 |
バーナブルポイズンの変更 |
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昭和46年2月18日 |
昭和46年5月31日 |
46原第2030号 |
附帯陸上施設の廃棄設備の変更 |
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昭和46年5月18日 |
昭和46年7月6日 |
46原第4172号 |
主蒸気安全弁漏洩量の記載追加 |
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昭和49年10月23日 |
昭和49年10月31日 |
49原第9844号 |
燃料交換設備の撤去 |
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昭和52年3月23日 |
昭和52年4月12日 |
52安(原規)第113号 |
冷態停止期間の変更 |
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昭和53年7月18日 |
昭和53年7月27日 |
53安(原規)第250号 |
貯留タンク(極低レベル)の設置 |
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昭和54年1月10日 (昭和54年6月1日一部補正) (昭和54年8月3日一部補正) (昭和54年10月22日一部補正) |
昭和54年11月15日 |
54安(原規)第151号 |
放射線遮蔽体の変更 冷態停止期間の変更 |
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昭和55年10月9日 (昭和56年4月20日一部補正) (昭和56年7月15日一部補正) |
昭和56年8月5日 |
56安(原規)第155号 |
非常用冷却設備等の変更 |
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昭和56年10月17日 |
昭和56年10月30日 |
56安(原規)第204号 |
冷態停止期間の変更 |
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昭和57年7月15日 (昭和57年7月27日一部補正) |
昭和57年8月31日 |
57安(原規)第166号 |
冷態停止期間の変更 |
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昭和61年8月11日 (昭和61年11月6日一部補正) (昭和62年3月5日一部補正) |
昭和62年3月31日 |
62安(原規)第60号 |
関根浜附帯陸上施設等の設置 |
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昭和62年8月25日 |
昭和62年9月14日 |
62安(原規)第236号 |
冷態停止状態の記載の変更 |
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平成4年8月3日 |
平成4年12月28日 |
4安(原規)第420号 |
放射性廃棄物の廃棄施設等の変更 |
解体届の変更の経緯
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届出年月日 |
届出内容 |
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平成4年8月3日 |
原子力第1船原子炉施設(原子力船「むつ」)を解体することとしたため、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第38条第1項の規定に基づき届出を行った |
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平成5年7月5日 |
第1回の変更届 |
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平成5年10月4日 |
第2回の変更届 |
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平成6年7月6日 |
第3回の変更届 |
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平成13年6月19日 |
第4回の変更届 |
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平成14年11月14日 |
第5回の変更届 |
廃止措置計画認可申請書の変更の経緯
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申請年月日 |
認可年月日 |
認可番号 |
備 考 |
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平成18年3月31日 (平成18年10月11日一部補正) |
平成18年10月20日 |
17諸文科科第5682号 |
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第44号)附則第2条第2項の規定に基づく廃止措置計画の認可 |
(2) その他
・特になし
五 解体の対象となる施設及びその解体の方法
1.解体の対象となる施設
解体の対象となる施設は、四に示す「廃止措置対象施設」のうち、保管建屋管理区域内の原子炉室一括撤去物、放射性廃棄物の廃棄施設、放射線管理施設及び換気設備、燃料・廃棄物取扱棟管理区域内の核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設、放射性廃棄物の廃棄施設、放射線管理施設及び換気設備、機材・排水管理棟管理区域内の放射性廃棄物の廃棄施設並びに放射線管理施設及び換気設備である。これらについては、壁床などの表面をはつり、内部に汚染がないことを確認した場合、建屋解体を行わず、管理区域解除のみとする。なお、保管建屋、燃料・廃棄物取扱棟及び機材・排水管理棟の各建屋並びに非管理区域に設置している機器・設備等は解体対象から外し、放射性廃棄物量や廃止措置費用の算定から除く。
なお、建屋解体を行わない施設は、一般施設として再利用する。
2.解体の方法
(1) 廃止措置の基本方針
・廃止措置の実施に当たっては、法令等を遵守することはもとより、安全の確保を最優先に、放射線被ばく線量及び放射性廃棄物発生量の低減に努め、保安のために必要な機能を維持管理しつつ着実に進める。
・放射線業務従事者の被ばく線量については、法令に定める線量限度を超えないことはもとより、合理的に達成可能な限り低減するように、効果的な除染技術、遠隔装置、局所排気の活用、汚染拡大防止措置等を講じた解体撤去手順・工法の策定を行う。
・放射性気体廃棄物、放射性液体廃棄物については、周辺公衆の被ばく線量を合理的に達成可能な限り低減するように、処理に必要となる設備の機能を維持しながら放出管理する。
・放射性物質により汚染された設備の解体撤去に当たっては、放射性物質による汚染を効果的に除去することにより、放射性固体廃棄物の発生量や放射能レベルを低減する。発生した放射性固体廃棄物は施設内に保管し、廃止措置終了までに廃棄事業者の廃棄施設に廃棄する。
・解体工事は、廃棄事業者の廃棄施設において廃棄物の受入れが可能であることを確認してから開始する。
・残存する各施設・設備について、解体の各過程に応じて要求される機能を原子力第1船原子炉施設保安規定(以下「保安規定」という。)に基づき維持し、解体中の原子炉施設を適切に管理する。
(2) 廃止措置計画の概要
原子力第1船原子炉の廃止措置は、「「むつ」の解体工事」、「原子炉室一括撤去物の保管展示」及び「原子炉室一括撤去物及び附帯陸上施設の解体工事」に区分して実施する。それぞれの概要は、次のとおりである。
1)「むつ」の解体工事
原子炉の停止後、平成4年8月に「むつ」の解体に着手した。
「むつ」の解体工事は、3段階に分けて実施し、平成8年3月に終了した。各段階の主な実施項目は以下のとおりである。
・第1段階:燃料体の取出し等(平成4年度及び平成5年度)
・第2段階:原子炉補器室等の機器類撤去(平成5年度及び平成6年度)
・第3段階:原子炉室一括撤去・移送(平成6年度及び平成7年度)
2)原子炉室一括撤去物の保管展示
原子炉室一括撤去物は、格納容器の一部を切り欠き、鉛遮へいガラスを設置して保管建屋の原子炉室保管棟に保管し、平成8年度以降一般展示している。
3)原子炉室一括撤去物及び附帯陸上施設の解体工事
解体工事は、廃棄事業者の廃棄施設において廃棄物の受け入れが可能であることを確認してから着工することとし、主に「むつ」の運転及び解体届に基づく解体撤去工事に伴い発生した放射性固体廃棄物(以下「保管廃棄物」という。)の搬出作業と並行して原子炉室一括撤去物の解体撤去工事から開始する。その後、保管建屋、燃料・廃棄物取扱棟及び機材・排水管理棟の管理区域内設備・機器を順次解体撤去する。解体撤去に伴い発生した放射性廃棄物を搬出した後、汚染の状況を確認した上で管理区域及び周辺監視区域を解除する。廃止措置は、全放射性廃棄物の搬出、全管理区域及び全周辺監視区域の解除をもって終了とし、原子炉等規制法第43条の3の2第3項において準用する同法第12条の6第8項に基づく廃止措置の終了の確認を受ける。
(3) 解体の方法
解体の方法は、原子炉施設のうち管理区域内に設置されている設備・機器等及び保管廃棄物は「七 廃止措置に係る核燃料物質による汚染の除去の方法」により行う。保管建屋、燃料・廃棄物取扱棟及び機材・排水管理棟の各管理区域は、管理区域内の施設及び設備の解体後、汚染の状況の確認を行った上で、保安規定に定める管理区域及び周辺監視区域を解除する。
六 廃止措置に係る核燃料物質の管理及び譲渡し
解体工事の第1段階で原子炉から取出し、燃料・廃棄物取扱棟内に保管していた全ての燃料体は、再処理準備のため、平成13年に日本原子力研究所東海研究所(現国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所)の燃料試験施設に搬出した。
七 廃止措置に係る核燃料物質による汚染の除去(核燃料物質による汚染分布とその評価方法を含む)
1.核燃料物質による汚染の分布とその評価方法
(1) 汚染分布の評価
原子炉一括撤去物のうち、原子炉本体(炉内構造物、原子炉容器、放射線遮蔽体等)及び制御棒は、中性子照射を受けて放射化し、また、原子炉冷却系統施設は、放射性腐食生成物が一次冷却水とともに系統内を循環し機器等に付着することにより二次汚染している。
附帯陸上施設の放射性廃棄物処理設備は、一次冷却水等の処理によりタンク、一部の配管等が二次汚染している。しかし、二次汚染の程度は原子炉冷却系統施設に比べ極めて低い。平成18年1月時点での原子炉室一括撤去物に残存する放射性物質の評価は、以下のとおりである。
1)放射化汚染物質
評価対象は、原子炉室一括撤去物のうち主に原子炉本体及び制御棒であり、その放射化汚染物質の放射能量は約9.2×1013Bqと推定され、主要放射性核種は60Coである。
2)二次汚染物質
評価対象は、原子炉室一括撤去物のうち原子炉冷却系統の機器であり、その二次汚染物質の放射能量は、約4.4×1010Bqと推定され、主要放射性核種は60Coである。
(2) 評価の方法
1) 放射化汚染
原子炉本体構成部位ごとの各種別放射化汚染物質の放射能は、原子炉停止(平成4年)から14年後の値を計算によって評価した。
①前提条件
イ)中性子束分布の計算
放射化放射能インベントリ計算用中性子群定数と、一次元Sn輸送計算コード「ANISN-JR」を用いて二次元計算用縮約群定数を求める。次にこの群定数を用いて二次元Sn輸送計算コード「DOT-3.5」により放射能計算用中性子束を求める。
ロ)原子炉の運転履歴
原子炉は100パーセント出力で、3,000時間連続運転したとする。
ハ)構造材の元素組成
炉内構造物、原子炉容器及び放射線遮へい体の構造材は、それぞれステンレス鋼、炭素鋼及びコンクリート等である。これらの構造材中に生成される放射性核種のうち、評価対象核種としては、解体時期を考慮して半減期の比較的長い54Mn、55Fe、60Co、63Ni、94Nb、134Cs等とする。
計算に用いる放射性核種の親元素の存在量は、組成分析値等を基に決定する。
②放射能量の計算
中性子束、運転履歴及び親元素の存在量を用いて、構成部位ごとの放射能を核種の生成崩壊解析コード「DCHAIN-MD」を用いて計算し、さらに機器重量との積により放射能量を計算した。
2) 二次汚染物質
JPDRにおける一次冷却系統配管内面の二次汚染物質の測定結果を基に、JPDRと「むつ」の運転時間の差等を補正して評価を行い、「むつ」の一次冷却系統内面の二次汚染物質の表面汚染密度を推定して、原子炉室内の二次汚染物質の放射能を求めた。
2.除染の方法
原子炉室一括撤去物及び各建屋管理区域内設備機器の核燃料物質による汚染の除去は、機械的・化学的除染法等は採らず、解体撤去の方法を採用する。
原子炉室一括撤去物は、放射化による汚染が二次汚染物質の汚染と比較して圧倒的に大きいこと及び原子炉停止から十分な時間がたち、放射能の減衰が得られていることから、解体前の除染は実施しない。また、附帯陸上施設についても、二次汚染の程度が低いことから、解体前の除染は実施しない。
八 廃止措置において廃棄する核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の発生量の見込み及び廃棄
1.放射性気体廃棄物の廃棄
廃止措置期間中に発生する放射性気体廃棄物は、放射化及び汚染した金属、コンクリートの切断等による放射性塵埃である。なお、廃止措置対象施設から全燃料体が搬出されているため、放射性ヨウ素及び希ガスは発生しない。
放射性気体廃棄物は、換気設備の高性能フィルタでろ過した後、排気中の放射能濃度が試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示(以下「線量限度等告示」という。)に定める周辺監視区域外の濃度限度以下であることを連続監視しながら、排気口から放出する。既設の換気設備を解体撤去する場合は、高性能フィルタ付局所排気装置を通した後、線量限度等告示に定める周辺監視区域外の濃度限度以下であることを連続監視しながら、排気口から放出する。
2.放射性液体廃棄物の廃棄
廃止措置期間中に発生する放射性液体廃棄物は、主に炉内構造物の切断に伴う原子炉容器内の張水、機械的切断等に伴う廃液及び管理区域内で発生する手洗い水等である。
放射性液体廃棄物は、液体廃棄物処理設備で処理し、放射性物質の濃度を測定した後、線量限度等告示に定める周辺監視区域外の濃度限度以下となるように希釈し放出する。
3. 放射性固体廃棄物の廃棄
(1) 放射性固体廃棄物の推定発生量
原子力船「むつ」の運転及び解体工事に伴って発生した放射性固体廃棄物は、200Lドラム缶、1m3容器、梱包体等として撤去物保管棟の撤去物等保管室、燃料・廃棄物取扱棟の固体廃棄物貯蔵室及び固体廃棄物保管エリアに保管している。
廃止措置期間中に発生する放射性固体廃棄物は、原子炉室一括撤去物、各建屋の管理区域内機器等の解体に伴い発生する金属、鉛、アスベスト、コンクリート等のほか、工事用資機材、ウエス等の解体付随廃棄物である。
これらの放射性固体廃棄物は、性状及び放射能レベルに応じて区分し、廃棄事業者の廃棄施設に搬出する。
現時点で主要な設備の放射能レベルを推定し、解体で発生する放射性固体廃棄物の発生量を評価した。その結果を保管廃棄物量とともに以下に示す。
廃止措置期間全体での放射性固体廃棄物の推定発生量及び保管廃棄物量※
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放射能レベル区分 |
推定発生量 (トン) |
保管廃棄物量 (トン) |
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低レベル 放射性 廃棄物 |
放射能レベルの比較的高いもの(L1) |
1.1 |
0 |
|
放射能レベルの比較的低いもの(L2) |
15 |
0 |
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放射能レベルの極めて低いもの(L3) |
268 |
121 |
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(CL) |
2660 |
40 |
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合 計 |
2944 |
161 |
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※端数処理により、各区分の廃棄物量の合算値と「合計」の記載は一致しない場合がある。
九 廃止措置に伴う放射線被ばくの管理
1.廃止措置期間中の放射線管理
廃止措置期間中の作業環境の放射線監視、被ばく管理、放射線業務従事者の出入り及び搬出物品の管理、管理区域の設定及び解除並びに周辺環境の放射線監視等の放射線管理は、保安規定に基づいて実施し、法令又は保安規定で定める基準値を超えないようにする。
解体工事に当たっては、随時、必要な放射線モニタリングを実施するとともに作業方法等の評価を行い、必要に応じて作業方法及び放射線防護方法の改善等の適切な措置を講じ、放射線業務従事者の被ばく低減を図る。そのために必要とされる放射線管理用測定装置、エリアモニタ、排気ダストモニタ等の放射線管理施設の維持管理を行う。
2.廃止措置期間中の平常時における周辺公衆の線量評価
(1) 放射性気体廃棄物の放出に伴う周辺公衆の線量評価
廃止措置期間中の解体撤去工事では、廃止措置対象施設から燃料体の搬出が終了していることから、放射性ヨウ素及び希ガスの放出は想定されないが、解体作業時に放射化及び二次汚染した金属、コンクリートの切断等による放射性塵埃の発生が考えられる。
原子炉本体の解体等、放射性塵埃が発生するおそれがある作業では、汚染拡大防止囲い及び高性能フィルタ付局所排気装置等を設置して汚染の拡大防止措置を講じ、さらに、排気は換気設備の高性能フィルタでろ過した後、排気口から放出する。また、既設の換気設備を解体撤去する場合は、高性能フィルタ付局所排気装置を通した後、排気口から排出する。このため、「むつ」の解体工事及び原子炉室一括撤去物の保管展示期間中の放出実績に基づき評価した結果、保管展示期間中のみならず解体工事期間中についても、放射性塵埃の濃度は十分に低く、放射性気体廃棄物による公衆の被ばくは極めてわずかである。ただし、解体工事期間中の放射性気体廃棄物による公衆の被ばくについては、解体方法等が決定した後再評価する。
(2) 放射性液体廃棄物の放出に伴う周辺公衆の線量評価
放射性液体廃棄物については、液体廃棄物処理設備で処理した後、海水で希釈して法令に定める排水濃度限度以下で放出することはもとより、極力環境中へ放出する放射能量を低減するように管理を行う。このため、「むつ」の解体工事及び原子炉室一括撤去物の保管展示期間中の放出実績に基づき評価した結果、保管展示期間中のみならず解体工事期間中についても、放射性液体廃棄物の濃度は十分に低く、放射性液体廃棄物による公衆の被ばくは極めてわずかである。ただし、解体工事期間中の放射性液体廃棄物による公衆の被ばくについては、解体方法等が決定した後再評価する。
(3) 直接線とスカイシャイン線の評価
原子炉室一括撤去物の解体に伴って発生する放射性固体廃棄物は、廃棄事業者の廃棄施設へ搬出するまでの間、燃料・廃棄物取扱棟内に一時保管することから、このときの直接線及びスカイシャイン線による公衆の被ばくを評価した。
①直接線
燃料・廃棄物取扱棟内に一時保管した放射性固体廃棄物からの直接線による空間放射線量を、燃料・廃棄物取扱棟の壁厚を考慮して点減衰核積分コード「QAD」を用いて計算した。その結果、燃料・廃棄物取扱棟から最も近い周辺監視区域境界(燃料・廃棄物取扱棟から西方向18mの地点)における直接線による空間放射線量を2.0×10-2μGy/yと評価した。
②スカイシャイン線
燃料・廃棄物取扱棟内に一時保管した放射性固体廃棄物からのスカイシャイン線による空間放射線量を、点減衰核積分コード「QAD」及びガンマ線1回散乱線計算コード「G33」を用いて計算した。その結果、燃料・廃棄物取扱棟から最も近い周辺監視区域境界(燃料・廃棄物取扱棟から西方向18mの地点)におけるスカイシャイン線による空間放射線量を7.9μGy/yと評価した。
③直接線及びスカイシャイン線による被ばく
燃料・廃棄物取扱棟内に一時保管した放射性固体廃棄物からの直接線及びスカイシャイン線による評価地点における推定空間放射線量は、合計8.0μGy/yとなる。
十 廃止措置中の過失、機械又は装置の故障、地震、火災などがあった場合に発生すると想定される事故の種類、程度、影響等
1.各段階の事故時における周辺公衆の受ける線量評価
廃止措置の各段階における工事上の過失、機械又は装置の故障、地震、火災、その他の災害による原子炉の事故について評価し、一般公衆への被ばく影響が最も大きい事故を選定した結果、最も影響の大きな事故は、原子炉容器の気中切断時における高性能フィルタ破損事故である。
このとき、大気中に放出される放射性粉塵による周辺監視区域境界における内部被ばく実効線量は、相対濃度の最大となる保管建屋排気口の北北東、9m地点において、約4.8×10-2mSvである。環境へ放出された放射性物質により周辺公衆の受ける実効線量を評価する。
十一 廃止措置期間中に機能を維持すべき試験研究用等原子炉施設及びその機能並びにその機能を維持すべき期間
1.廃止措置期間中に維持管理すべき施設の考え方
廃止措置期間中における原子炉施設外への放射性物質の放出抑制、放射性廃棄物の処理処分、周辺公衆及び放射線従事者の放射線被ばくの低減に必要な設備等、廃止措置期間中に機能を維持すべき施設・設備については、解体撤去等の実施状況を踏まえ、必要な期間、必要な機能を廃止措置段階毎に設定する。廃止措置期間中に機能を維持すべき設備及びその機能並びにその機能を維持すべき期間を下表に示す。
廃止措置期間中に機能を維持すべき設備及びその機能並びにその機能を維持すべき期間
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施設区分 |
設備区分 |
構成品目 |
維持すべき機能 |
維持すべき期間 |
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放射性廃棄物の廃棄施設 |
液体廃棄物処理設備 |
|
液体廃棄物処理設備としての機能 |
保管建屋及び燃料・廃棄物取扱棟では、発生した全ての放射性液体廃棄物の搬出終了まで 機材・排水管理棟では、全ての放射性液体廃棄物が放出されるまで |
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固体廃棄物処理設備 |
|
固体廃棄物処理設備としての機能 |
各建屋で発生又は保管している全ての放射性固体廃棄物が搬出されるまで |
|
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放射線管理施設 |
屋内管理用の主要な設備 |
放射線監視設備 |
放射線モニタとしての機能 |
各建屋の管理区域解除まで |
|
放射線管理設備 |
放射線モニタとしての機能 |
全管理区域解除まで |
||
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屋外管理用の主要な設備 |
放出放射性物質管理用モニタリング設備 |
放射線モニタとしての機能 |
各建屋の管理区域解除まで |
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その他の原子炉の附属施設 |
その他の主要な事項 |
燃料・廃棄物取扱棟換気設備 |
管理区域内の換気設備としての機能 |
管理区域内機器撤去まで |
|
機材・排水管理棟換気設備 |
管理区域内の換気設備としての機能 |
管理区域内機器撤去まで |
||
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保管建屋換気設備 |
管理区域内の換気設備としての機能 |
管理区域内機器撤去まで |
十二 廃止措置に要する費用の見積り及びその資金の調達の方法
1.廃止措置に要する費用の見積り
作業で発生する解体廃棄物量から想定される原子炉施設(対象を五.1に記載)の廃止措置に要する総見積額は、約40億円である。
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単位:億円 |
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施設解体費 |
廃棄物処理処分費 |
合計※ |
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約23 |
約16 |
約40 |
※端数処理により、「施設解体費」と「廃棄物処理処分費」の合計と「合計」の記載は一致しない場合がある。
2.資金の調達の方法
施設の廃止措置に要する資金は、一般会計運営費交付金及び一般会計施設整備補助金により充当する計画である。
十三 廃止措置の実施体制
1.廃止措置の実施体制
以下の体制を確立することにより、廃止措置に関する保安管理業務を円滑かつ適切に実施する。
・保安規定において保安管理体制を定め、廃止措置業務に係る各職位の職務内容を明確にする。
・保安に必要な事項を審議するための委員会として「原子炉施設等安全審査委員会」を設置する。
・「廃止措置施設保安主務者」等を任命し、各職位の業務を総括的に監督させる。
2.廃止措置を適切に実施するために必要な情報の保持
・ 昭和42年に原子力第1船の原子炉設置を許可され、昭和47年の中性子源及び核燃料装荷、平成4年の実験航海終了までの運転実績を有し、同様に附帯陸上施設も昭和62年から運転を開始し、平成4年の解体届を提出するまで、適切に運転管理を行ってきており、施設の設備点検・補修等多くの保守管理並びに運転・保守における保安管理の経験・実績を有している。
・廃止措置期間においても、これらの経験を基に適切な解体撤去及び汚染の除去に係る保安管理、放射線管理並びに設備の維持管理等を行うこととする。
3.技術者の確保
・機構は、JPDR、JRR-2等の原子炉施設等の解体実績を有する技術者がおり、廃止措置業務の実施に当たっては、必要に応じ廃止措置に係る知見・経験を反映できる体制下にある。
・廃止措置を行うために必要となる専門知識及び技術・技能を有する技術者を適切に確保していく。
4.技術者に対する教育・訓練
・廃止措置に係る業務に従事する技術者に対しては、保安規定に基づき、対象者、教育内容、教育時間等の実施計画を立てて、教育を実施する。
十四 廃止措置に係る品質保証計画
廃止措置期間中における品質保証活動は、保安規定において、理事長をトップマネジメントとする品質保証計画を定め、保安規定及びその関連文書により、廃止措置に関する保安活動の計画、実施、評価及び改善の一連のプロセスを明確にし、これらを効果的に運用することにより、原子力安全の達成・維持・向上を図る。
また、廃止措置期間中における品質保証活動は、廃止措置における安全の重要性に応じた管理を実施する。
廃止措置期間中に機能を維持すべき設備の保守管理等の廃止措置に係る業務は、この品質保証計画の下で実施する。
十五 廃止措置の工程
十六 廃止措置実施方針の変更記録(変更又は見直しを行った日付、変更箇所及び理由を含む)
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No. |
日付 |
変更箇所 |
変更理由 |
|
0 |
H30.12.25 |
廃止措置実施方針作成 |
- |