平成30年2月23日(金)更新
原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究「 搬送定置・回収技術の実証的検討に関する研究 」では、深度350m調査坑道の 試験坑道2 において、処分坑道横置き定置方式*1によるエアベアリング方式*2の定置装置を用いた、人工バリアの搬送定置・回収技術の実証試験を予定しており、これまでに、試験坑道の整備や要素試験を実施してきました( 平成29年1月27日掲載記事 、 平成29年10月27日掲載記事 など参照)。 今回、実証試験で使用する、模擬PEM*3(約36トン)を分割した部材を、地上から深度350m調査坑道の試験坑道2へ搬入しました(写真1、2)。搬入後は、部材の組立を行い、模擬PEMを設置します(写真3)。 今後、平成30年度に模擬PEMと坑道壁面の隙間を充填する隙間充填材施工試験を、平成31年度に隙間充填材除去試験および模擬PEMの回収・搬送定置試験を実施する計画です。
*1 処分坑道横置き定置方式とは…
坑道に人工バリアを横向きに定置する方式です。(なお、
試験坑道4
で実施している
人工バリア性能確認試験
は竪置き定置方式を採用しています。)
*2 エアベアリング方式とは…
圧縮空気を送り込み、床面との隙間にごく薄い空気の膜を形成することで摩擦を低減し、小さい力で重量物を搬送するための仕組みです(図1)。
*3 PEMとは…
鋼製の容器の中に、人工バリアであるオーバーパックや緩衝材を設置し、一体化したものです。(Prefabricated Engineered barrier system Moduleの略)
本試験では、オーバーパックと緩衝材を封入しない模擬PEMを試験坑道2で組み立てました。
写真1 模擬PEM部材の搬入(東立坑深度350m)
写真2 模擬PEM部材の搬入(深度350m調査坑道)
写真3 模擬PEM組立状況
図1 エアベアリング方式の基本概念図
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平成30年2月9日(金)更新
地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力について調査するために、東立坑の坑底(深度380m)にて、ボーリング孔(鉛直孔)を掘削し( 平成28年4月22日掲載記事 、 平成28年11月4日掲載記事 など参照)、ボーリング孔内での割れ目の位置、方向・幅の観察や( 平成28年5月20日掲載記事 参照)、岩盤中の水の流れ易さなどを調べる試験を行ってきました( 平成29年6月2日掲載記事 参照)。 その後、平成30年1月26日、29日に断層の透水性と岩石の強度・応力状態との関係性に関する情報を取得することを目的とした、水圧擾乱試験*1を行いました。 試験では高い水圧を段階的にかけていき、流量や水圧データを観測します(写真1)。今後、得られたデータを踏まえ、一時的な水圧上昇が割れ目の水理特性に与える影響を評価していく予定です。
*1 水圧擾乱試験とは…
通常よりも高い注入圧を用いて、岩盤中の水の流れ易さを調べる試験です。
写真1 水圧擾乱試験中の流量・水圧を観測している様子
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