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土岐地球年代学研究所

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ポータブル蛍光エックス線分析装置(pXRF)

エネルギー分散型のポータブル蛍光エックス線分析装置(portabl Energy Dispersive X-ray Fluorescence spectrometer; pXRF)を用いて、地質試料の全岩化学組成分析を行っています。この装置を用いて、全岩化学組成等を測定し、岩石等の主成分・微量成分を知ることで、年代測定用試料を選別するために必要な基礎情報を得ることができます。特に、pXRF装置は非破壊での化学分析が可能ですので、ボーリングコア試料や岩石試料断面の連続分析等に有効です。pXRF装置は、エックス線発生部と検出部で構成され、片手で持ち運べる長さ20~30 cm程度の大きさです。したがって、屋外でも使用可能であり作業場所を選ばず分析作業をすることができます。試料表面にエックス線を照射すると各元素固有の特性エックス線が発生します。特性エックス線を検出し、得られた強度データをもとにファンダメンタルパラメーター法と呼ばれる手法により濃度データを算出することができます。さらに、各種の地球化学標準試料を用いて検量線を作成することでより正確な定量分析を行うことが可能です。pXRFによる試料表面の分析径は8 mmもしくは3 mmで、繰り返し測定も含めて1試料あたり数分〜5分程度で測定が完了します。これまでに断層岩試料、土石流堆積物試料、湖底堆積物試料、津波堆積物試料等の全岩化学組成分析への適用を進めています。特に、地質試料の化学組成にもとづく物質の移動や循環、供給源に関する情報を得ることができます。また、土壌等の環境試料や廃棄物試料の化学分析への適用も可能です。

ポータブル蛍光エックス線分析装置(Thermo Scientific, Niton XL3t-950S)