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土岐地球年代学研究所

光ルミネッセンス(OSL)装置

光ルミネッセンス(OSL)とは、鉱物中の放射線損傷が光刺激によって解消するときに生じる光です。OSLの強さは鉱物粒子が浴びた放射線量に応じて増加していきます。OSL測定からは、鉱物がこれまでに浴びた放射線量(総被曝線量)を見積もることができます。これを試料周囲の放射線量率(単位時間当たりの放射線量)で割ることで、OSL年代が得られます。OSL年代は太陽光を受けるとゼロに戻るため、OSL年代測定法は山地の侵食や岩石が運搬、堆積した過程で太陽光を浴びた鉱物粒子が太陽光から遮断されてからどのくらい時間が経過したか(≒堆積年代)を推定することができます。OSL年代測定法はあらゆる堆積物に適用できるため、地質環境の評価に広く貢献することが期待されています。例えば、洪水堆積物や津波堆積物のOSL年代を測定し、発生時期を推定することで、自然災害対策に利用することが考えられています。東濃地科学センターでは、地質の長期安定性評価に重要な隆起・侵食速度を、河成・海成堆積物のOSL年代と地形の高低差から推定する技術の開発を行っています。

光ルミネッセンス(OSL)測定装置(Risø TL/OSL-DA-20)