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土岐地球年代学研究所

電子スピン共鳴(ESR)装置

電子スピン共鳴(ESR: Electron Spin Resonance)測定装置を用いて堆積物の供給源を推定する研究を行っています。ESR は磁場の加わった状態で石英など岩石を構成する鉱物中の不対電子(電子の軌道が通常対となって占有されるものが、占有されずに不安定になっている状態)がマイクロ波を吸収することにより発生します。ESRの信号は不対電子周辺の環境によって変化するため、ESR 測定を行うことで不対電子の量や電子状態、運動性、周辺の構造に関する情報を得ることができます。例えば、石英粒子の電子状態は生成した環境によって異なりますので、このことを利用すると、堆積物中の石英粒子のESR信号特性を調べることで、その供給起源地の推定が可能です。東濃地科学センターでは、地層処分における地質環境の長期予測・評価において重要となる山地の形成・発達過程を把握するため、ESR測定装置を備えその測定技術を整備し、地層にみられる堆積物(堆積層)の供給源推定に係る研究開発を行っています。

電子スピン共鳴(ESR)測定装置(日本電子 JES-X320)