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超深地層研究所計画

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トピックス

ファブリペロー方式による光ファイバ式岩盤変位計を用いた坑道岩盤挙動のモニタリング

ポイント
  • 耐腐食性・耐薬品性・高絶縁性に優れた光ファイバ(注1)を利用した岩盤変位計を制作しました。
  • 深度500m冠水坑道に光ファイバ式岩盤変位計を設置し、岩盤挙動のモニタリングを開始しました。
概要

瑞浪超深地層研究所(注2)の深度500m冠水坑道において、坑道冠水時の岩盤の力学挙動を把握するために岩盤変位計を設置し、坑道冠水時の岩盤挙動をモニタリングします。坑道冠水時の岩盤挙動を長期間モニタリングするためには、計測機器の耐久性が重要となります。従来型の電気式計測機器方式では、設置後2~3年もするとほとんどの計測機器で絶縁が低下し計測の精度が低下してしまいます。そこで、耐腐食性・耐薬品性・高絶縁性に優れた光ファイバを利用したセンサーを用いた岩盤変位計(図1)を製作して1)、坑道内での岩盤挙動のモニタリングを開始しています。

内容

坑道冠水時の岩盤挙動を把握するために、光ファイバ式岩盤変位計を製作し、深度500m冠水坑道において岩盤挙動のモニタリングを開始しました。

1. 光ファイバ式岩盤変位計の制作

坑道冠水時の岩盤挙動を長期間モニタリングするためには、計測機器の耐久性が重要となります。光ファイバを利用したセンサ-は、耐腐食性・耐薬品性・高絶縁性に富むため長期モニタリングに適しています。そこで、光ファイバ式岩盤変位計を制作しました。光ファイバを利用したセンサーには、FBG(Fiber Bragg Grating)方式やファブリペロー方式が存在しますが、より精度の良いファブリペロー方式を採用しました。制作した装置の性能の確認として、装置単体での精度確認試験、計測区間を変更した引張試験、花崗岩供試体を利用した圧縮試験を実施しました。

2. 冠水坑道での装置設置

製作した装置を深度500m冠水坑道のモニタリング孔(13MI42, 43, 44号孔)に、計測用PCなどの計測システムを研究アクセス北坑道の西横坑に設置しました。まず、計測システムの作動確認のため、変位および温度の収録を行いました(図.2)。この装置を用いた計測により、冠水時の坑道周辺岩盤の力学挙動が解明できると期待しています。

この記事のより詳しい内容はこちらをご覧ください。

光ファイバ式岩盤変位計の構成概要図
図1. 光ファイバ式岩盤変位計の構成概要
装置の回収を可能にするため測定区間端部には、ばね圧式のアンカーを設置し、その内部にファブリペロー方式の変位計を組み込み、孔壁に対して2点の固定点を設け、その固定点の間の変位を測定します。
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光ファイバ式岩盤変位計の設置時の作動確認試験結果の画像
図2. 光ファイバ式岩盤変位計の設置時の作動確認試験
収録したデータのうち2014年3月14日の12時から15時までの計測値です。
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参考文献