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単色中性子校正場の開発

目的pageTop

中性子用の線量計(サーベイメータ、個人線量計)の特性試験、中性子被ばく線量評価法の研究などにおいては、加速器を用いた単色(単一のエネルギーを有する)中性子源が必要です。そこで、4MVバンデグラフ静電型加速器(ペレトロン)を用いた、高品質な単色中性子校正場の整備を行っています。

単色中性子照射室の様子pageTop

4MVバンデグラフ静電型加速器で加速された陽子や重陽子などの荷電粒子を中性子発生用ターゲットに入射させ、ターゲット内で起こる核反応を利用して中性子を発生させます。中性子発生用ターゲット付近の構造物ばかりでなく、部屋の壁や床でも中性子が散乱され、単色中性子場が乱されるため、写真のように出来るだけ広い部屋の中央にターゲットを設置し、散乱成分を低く抑えるように工夫しています。写真で床面に見えるものもグレーチングといって、構造物を出来るだけ少なくするために格子状にしたアルミ板であり、その下には広い空間があります。このような照射室で単色中性子校正場を整備しています。

使用する核反応と発生可能な中性子エネルギーpageTop

単色中性子校正場では、5種類の核反応を利用して、図に示すエネルギー範囲の単色中性子を発生させています。 現在までに、7Li(p,n)及び2H(d,n)の2種類の核反応を利用して、144keV、 565keV及び5.0MeVの3エネルギーの単色中性子校正場について、 中性子エネルギーを精密に測定評価し、中性子フルエンス(単位体積当たりの中性子の個数)について、国家標準(産業技術総合研究所)とのトレーサビリティを確立しています。

今後の予定pageTop

今後、利用する核反応の種類を増やして、利用できる中性子エネルギーの範囲を8~20MeVまで拡げる予定です。

参考文献pageTop

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