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放射性廃棄物の研究

バックエンド研究施設(BECKY)pageTop

◎ 施設目的

〇 当初目的

原子力発電所で使用された核燃料の再処理や放射性廃棄物の処分など、核燃料サイクルのバックエンドに関する研究を行うために建設されました。

〇 福島復興に向けて

福島第1原子力発電所事故で発生した破損燃料について破損状態の推定、含まれる核燃料物質の評価及び処理技術の確立のための技術開発を実施するとともに、セシウムやストロンチウムの環境中での化学的挙動やセシウム等を含む廃液の処理に関する技術開発などに貢献していきます。

◎ 竣工時期

平成4年 建家竣工
平成6年 ホット試験開始

◎ 特徴

 核燃料サイクルのバックエンドに関する基礎的研究開発を行うことができる大型複合研究施設です。施設内にはホットセル、グローブボックス、フードといった設備があり、取り扱う核燃料物質量などの広範囲な試験条件に対して柔軟に対応することができます。また、一部のホットセルやグローブボックスは、内部を不活性ガスで置換することにより、不活性雰囲気条件で試験を実施できる国内でも類例の少ない貴重な設備です。

◎ 設備

核燃料物質及び放射性同位元素の使用施設
コンクリートセル 3基(受入セル、プロセスセル、化学セル:各1基)
鉄セル 3基
グローブボックス 30台
フード 20台

建家外観
建家外観

◎ 主な研究項目

〇 コンクリートセルを用いた研究

・分離プロセスに関する研究

 使用済燃料の中には、ウランやプルトニウムのように再び核燃料として使えるものや、白金族元素のように他の分野で再利用できる貴重な物質、TRU核種のように半減期が長いため数万年にわたって管理が必要な物質など様々な物質が含まれています。
それらの物質を選択的に取り出す技術を開発することで、高レベル廃棄物の発生量を低減することができ、より合理的な処分が可能となります。
・現行の再処理方法の改善
現在行われている再処理方法の更なる改良として、放射線で劣化しにくい新しい抽出剤や、より簡単なプロセスの研究を行い、再処理のコスト低減に貢献します。

○ 鉄セルを用いた研究

・TRU高温化学に関する研究
新しい再処理方法として、金属の精錬技術を応用した方法が提案されています。世界の主流となっている湿式再処理に比べ、この方法は水を一切使用しないため乾式再処理と呼ばれています。乾式再処理は放射性廃棄物の発生量が少ない特徴を有し、工程がシンプルなので、高い経済性が期待されています。本設備では乾式再処理法を確立するため、超ウラン元素に関する熱的・物性的な基礎データを取得しています。

○ グローブボックスを用いた研究

地層処分された放射性廃棄物が環境に与える影響についての研究

 地層に処分された放射性廃棄物の数千年~数万年先の状態、処分後の放射性廃棄物に含まれる放射性物質の地球化学的挙動等について研究しています。ここで得られたデータは、廃棄物を処分する場合の国の安全規制の科学的根拠となります。

○ フードを用いた研究

・アジア地域初のIAEAネットワーク分析所として保障措置環境試料の分析に貢献
BECKYは、国際原子力機関(IAEA)が組織するアジア地域ネットワーク分析施設の一つです。塵や埃のような微量の試料を分析することで、未申告の原子力活動を検知することができます。IAEAの受託分析を行い、原子力の平和利用や国際協力に貢献しています。

コンクリートセル
コンクリートセル

操作エリア(鉄セル)
鉄セル

グローブボックス
グローブボックス

フード
フード

環境シミュレーション試験棟(STEM)pageTop

◎ 施設目的

 放射性廃棄物の埋設処理に係る試験研究等を実施することを目的とした施設です。

◎ 竣工時期

昭和58年

◎ 特徴

 人工バリア(セメント・コンクリート材料)及び天然バリア(地層試料:土壌及び岩石)を対象に安全評価上重要な放射性核種の吸着・移行試験等を大気雰囲気及び低酸素雰囲気で実施できます。

◎ 設備

放射性同位元素の使用施設
グローブボックス 6台
フード 4台


建家外観

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