FCA(Fast Critical Assembly)は、高速炉に関する炉物理的基礎データ及び実験炉・原型炉・将来の実用炉のための設計データ並びに制御安全性に関するデータを実験的に求める目的として建設され、1967年(昭和42年)4月29日に20%濃縮ウラン燃料を使用した炉心で初臨界に達した後、2011年(平成23年)3月まで運転を行った。 その間の総運転時間は約29,160時間であり、総積算出力は172,015Whとなった。 FCAは、目的とする実験データの取得が完了し、施設が老朽化していることから、2017年(平成29年)4月1日に策定した当機構の「施設中長期計画」において、廃止することが決定した。 その後、FCA廃止措置計画の申請(2021年(令和3年)3月31日付。2021年(令和3年)8月6日に一部補正)を行い、2021年(令和3年)9月29日に同計画の認可を取得した。 また、低濃縮ウランの米国移送に伴い、廃止措置計画について変更認可申請(申請:2024年(令和6年)3月4日付。2025年(令和7年)7月23日に一部補正)を行い、2025年(令和7年)8月19日に認可を取得した。
FCAの廃止措置は、次の2段階に分けて実施する。
高速実験炉「常陽」や高速増殖原型炉「もんじゅ」の設計及び安全審査に必要な実験データを提供し、高速炉開発に大きく貢献した。

FCA施設外観

FCA原子炉本体
諸元表 |
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| 名称 | 高速炉臨界実験装置(Fast Critical Assembly) |
| 炉型 | 濃縮ウラン・プルトニウム水平二分割型 |
| 最大熱出力 | 2kW |
| 使用温度 | 40℃以下 |
| 炉心形状 | 1/2格子管集合体寸法 |
| 減速材 | なし |
| 制御装置 | 制御安全棒駆動機構、移動テーブル駆動機構 |