TCA(Tank-type Critical Assembly)は、我が国最初の軽水型動力試験炉(JPDR)の核特性についてより深く研究することを目的に設置され、昭和37年8月23日に初臨界を達成した後、平成22年11 月まで11,835 回の運転を行った。その間の全運転時間は10,499 時間であり、総積算出力は13,923Wh となった。
TCAは、目的とする実験データの取得が完了し、施設が老朽化していることから、平成25年9月26日に策定した「日本原子力研究開発機構改革計画」において、事業の合理化の一環として廃止措置する施設に決定した。その後、TCA廃止措置計画の申請(平成31年4月26日付。令和2年12月10日及び令和3年3月2日に一部補正)を行い、令和3年3月17日に同計画の認可を取得した。
TCAの廃止措置は、次の3段階に分けて実施する。
TCAは、ウラン及びプルトニウムを燃料とする軽水減速炉心の基本的な核特性の研究、各種改良炉心に関する実験等に用いられ、我が国の軽水炉開発に寄与するとともに、教育研修実験の場として利用され、原子力技術者の育成に貢献した。
また、長年蓄積された臨界データは、臨界安全の分野で世界標準の実験データとして活用され、臨界安全ハンドブックで提案された評価手法の検証に寄与した。
TCA外観
TCA原子炉本体
TCA原子炉本体イメージ図
諸元表 | |
名称 | 軽水臨界実験装置(Tank-type Critical Assembly) |
形式 | 縦型円筒上部開放タンク |
最大熱出力 | 200W |
使用温度 | 80℃以下 |
炉心形状 | 縦型円筒上部開放タンク |
減速材 | 軽水 |
制御装置 | 水位制御装置、安全板(Cd板)駆動装置 |