実施概要

岡﨑理事長による開会挨拶
- 開催日時:
- 平成21年12月3日(木) 10:00〜17:30、12月4日(金) 9:30〜17:40
- 開催場所:
- 浜離宮朝日小ホール
- 主催:
- (独)日本原子力研究開発機構
- (財)日本国際問題研究所
- 東京大学グローバルCOE
- 参加者数:
- 262名
結果報告
はじめに
2009年9月、核不拡散・核軍縮に関する安保理決議1887号が採択されたことに加え、2010年4月には米国ワシントンD.C.においてオバマ大統領の提案している核セキュリティ・サミットが開催される予定です。また、2010年5月には、5年に一度の核拡散防止条約(NPT)運用検討会議が米国ニューヨークで開催され、「核のない世界」に向けた国際的な取り組みの進展が期待されています。
鳩山総理は、国連総会及び安保理首脳会合における演説の中で、日本がこれらの取り組みに先頭に立って貢献することを明言しており、これら分野において日本が具体的に取り組みのリーダーとして、貢献を果たすことが重要になっています。2009年12月に我が国で核セキュリティ・サミットに向けた準備会合が開催されましたが、日本への期待を表すものではないでしょうか。
安保理決議1887号では、核軍縮・核不拡散の強化を目指すとともに、保障措置(核不拡散)・核セキュリティ・原子力安全の確保を前提に、原子力平和利用の推進を奨励しています。NPTの3本柱である原子力平和利用、核不拡散、核軍縮を包括的に取上げ、核不拡散との両立を果たしながら原子力の平和利用の継続的発展を実現するためには、今、何をすべきかを考え、そして議論する「原子力平和利用と核不拡散、核軍縮にかかわる国際フォーラム」を原子力機構、日本国際問題研究所、東京大学G-COEの三者共催により開催しました。
本フォーラムでは、世界から著名な専門家を招き、12月3日、4日の2日間にわたり、浜離宮朝日小ホールにおいて、基調講演とテーマ別の3つの円卓討論を実施しました。今回は、円卓討論という形態をとり、議論を中心にすることと、フロアとのやりとりを重視することを目指しました。
2日間にわたって262名の方々の参加の下、フロアからも多くの方々に積極的に討論に加わっていただき、活気のあるフォーラムになったと考えています。ご参加いただきました講演者、モデレータ、パネリスト、聴衆の方々に改めて感謝申し上げます。
本国際フォーラムの結果が、今後の原子力平和利用と核不拡散の両立の維持・発展、そして核軍縮の進展の議論の参考になれば幸いです。

日本原子力研究開発機構では、今後もこのようなテーマの国際フォーラムを開催する計画でありますので、皆様のご指導、ご協力をお願い申し上げます。
2010年2月22日
日本原子力研究開発機構
核不拡散科学技術センター長
千崎 雅生
プログラム/投影資料
開会挨拶
- 日本原子力研究開発機構 理事長 岡﨑 俊雄
基調講演
- 原子力平和利用と核不拡散の両立
- 国際原子力機関(IAEA) 新事務局長 天野 之弥氏(ビデオメッセージ)
- 我が国の核不拡散政策の当面の課題
- 原子力委員会 委員長 近藤 駿介氏
- 主に核不拡散推進の観点
- 米国国務省 国際安全保障拡散防止局 脅威削減プログラム 大使 ボニー・ジェンキンス氏
(米国国務省 原子力安全・セキュリティ部長 リチャード・ストラットフォード氏代読) - 「核不拡散・軍縮に関する国際委員会」の概要報告
- 日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター所長・大使 阿部 信泰氏
円卓討論1
「NPTの3本柱─原子力平和利用、核不拡散、核軍縮」
- モデレータ
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- 日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター所長・大使 阿部 信泰氏
- 出席者
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- 国際原子力機関(IAEA) 事務次長 谷口 富裕氏
- ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関(ABACC) 事務局長 オディロン・アントニオ・マルクーゾ・ド・カント氏
- 仏Areva社 核不拡散・国際制度担当部長キャロライン・ジョラン氏
- 韓国原子力安全技術院(KINS)顧問(前韓国原子力統制技術院(KINAC)理事長) ハン・ギュ・リー氏
- ロシア科学アカデミー 教授バレンティン・イワノフ氏
- 英国エネルギー気候変動省 核不拡散担当課長 ピーター・カーター氏
- 米国国務省 原子力安全・セキュリティ部長 リチャード・ストラットフォード氏
- 外務省大臣官房審議官(総合外交政策局担当及び軍備不拡散・科学部担当) 中島 明彦氏
- 経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課長 三又 裕生氏
- 元原子力委員長代理・大使 遠藤 哲也氏
- 東京大学大学院工学系研究科 教授 田中 知氏
- 日本原子力研究開発機構 理事長 岡﨑 俊雄
1日目終了挨拶
- 日本国際問題研究所 上級客員研究員 遠藤 哲也氏
平成21年12月4日(金)
円卓討論2
「保障措置、核セキュリティ、核拡散抵抗性」
- モデレータ
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- 核物質管理センター 専務理事 内藤 香氏
- 出席者
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- ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関(ABACC) 事務局長 オディロン・アントニオ・マルクーゾ・ド・カント氏
- 仏Areva社 核不拡散・国際制度担当部長キャロライン・ジョラン氏
- 韓国核不拡散核物質管理院(KINAC) 首席研究員 ワン・キー・ユーン氏
- ロシア科学アカデミー 教授バレンティン・イワノフ氏
- 米国大使館 エネルギー担当官、米国エネルギー省 日本事務所代表ロナルド・チェリー氏
- 米国アルゴンヌ国立研究所 アイク・テリオス氏
- 米国ロスアラモス国立研究所 ジョゼフ・ピラー氏
- 米国ブルックヘブン国立研究所 上級研究主席、GIF(Generation IV International Forum) PR(核拡散抵抗性)&PP(核物質防護)ワーキンググループ 共同座長 ロバート・バリ氏
- 国際原子力機関(IAEA)保障措置局査察実施C部 前部長 村上 憲治氏
「International Safeguards Challenges and Issues」 - 文部科学省 科学技術・学術政策局 保障措置室長 木村 直人氏
- 原子力安全基盤機構(JNES)理事、京都大学名誉教授 中込 良廣氏
「International Trends on Nuclear Security」 - 日本原子力研究開発機構 核不拡散科学技術センター長 千崎 雅生
- 東京大学大学院工学系研究科 教授(委嘱)、日本原子力研究開発機構 核不拡散科学技術センター 次長 久野 祐輔
「Proliferation Resistance for Future Nuclear Fuel Cycle」
円卓討論3
「核燃料サイクルの多国間管理」
- モデレータ
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- 東京大学G-COE 特任教授 ジョーシャン・チョイ氏
- 出席者
-
- 国連核軍縮研究所(UNIDIR) 上級研究員、プロジェクトマネージャー ユーリー・ユディン氏
- ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関(ABACC) 事務局長 オディロン・アントニオ・マルクーゾ・ド・カント氏
- 中国原子能科学研究院(CIAE) 教授、科学技術委員会副委員長ゾンマオ・グ氏
- 仏Areva社 核不拡散・国際制度担当部長キャロライン・ジョラン氏
- 韓国原子力研究所(KAERI)国際研究部長カンソク・リー氏
- ロシア科学アカデミー 教授バレンティン・イワノフ氏
- 英国エネルギー気候変動省 核不拡散担当課長 ピーター・カーター氏
- 米国ロスアラモス国立研究所 ジョゼフ・ピラー氏
- 米国科学アカデミー 核セキュリティ・安全プログラム部長ミカ・ローウェンタル氏
- 米国モントレー国際問題研究所、不拡散研究センター 教授 ローレンス・シャインマン氏
- 原子力委員会 委員、中部電力 顧問 伊藤 隆彦氏
- 電力中央研究所 社会経済研究所 研究参事、東京大学公共政策大学院 客員教授 鈴木 達治郎氏
「Civilian Nuclear Power and Nuclear Non-Proliferation: How to minimize risks associated with expansion of nuclear fuel cycle activities?」 - 東京大学大学院工学系研究科 教授(委嘱)、日本原子力研究開発機構 核不拡散科学技術センター 次長 久野 祐輔
- 日本原子力研究開発機構 核不拡散科学技術センター技術主席 直井 洋介
閉会挨拶
- 東京大学大学院工学系研究科 教授 田中 知氏