幌延深地層研究センター ゆめ地創館

To The Future/JAEA 未来へげんき
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jaea 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究紹介

エゾリス博士
研究紹介02

地下だとなんで大丈夫なの?

質問

幌延深地層研究センターが、地層処分の土台となる研究開発をしていることはわかったよ!でも、地下だとなんで大丈夫なの?

エゾリス博士

多重バリアシステムで地下300メートル以上の深さに埋めるからじゃ。
では、順を追って説明するぞい。原子力発電所で使用した燃料の5%は再利用できない燃えカスなのじゃが、これをガラスの原料と溶かし合わせて容器に入れて、固めたのものをガラス固化体と言うのじゃ。

ゆめ地創館に展示しているガラス固化体の模型

ゆめ地創館に展示しているガラス固化体の模型

質問

前回教えてもらった、地層処分する「高レベル放射性廃棄物」だね。

エゾリス博士

そうじゃ。ガラスで固めるのは、水に溶けにくく、化学的に安定していて、物質を長く閉じ込められるから。君は色ガラスを見たことがあるかな?

質問

もちろんあるよ!

エゾリス博士

色ガラスの色が目で見えるのは、色素が移動せずにガラスの中に閉じ込められているからなのじゃ。つまり、物質を長く安定して動かなくできるということ。ガラス固化体を安全に地層処分する方法が、天然の岩盤のバリアと人工物のバリアを組み合わせた多重バリアシステムなのじゃ。
実物大の人工バリアは、ゆめ地創館に併設されている地層処分実規模試験施設に展示されておるぞ。

地層処分実規模試験施設に展示されている人工バリア

地層処分実規模試験施設に展示されている人工バリア

質問

地層処分実規模試験施設にある人工バリアは本物なの?

エゾリス博士

ガラス固化体以外は全部本物じゃよ。ガラスで放射性物質を閉じ込めて、オーバーパックという金属製の容器でガラス固化体と地下水の接触を防ぐ。さらにその外側を緩衝材ブロックという粘土で覆うことで、地下水と放射性物質の動きを遅らせる。この3つを組み合わせたものが人工バリアなのじゃ。

質問

この大きさの人工バリアで包めば大丈夫ってこと?

エゾリス博士

オーバーパックの厚さは19センチメートル。少なくとも1000年間は確実に閉じ込められるように、余裕をもって設計しているんじゃ。

質問

1000年間の保証!?

エゾリス博士

オーバーパックの役割は、少なくとも1000年間は地中に流れる地下水とガラス固化体を接触させないというものじゃ。それをさらに粘土のブロックで外側から包んで地下水から守っているのじゃよ。
緩衝材ブロックの主な材料は、猫のトイレの砂などにも使われているベントナイトという粘土で、地下水がガラス固化体に触れるのを遅らせたり、地下水そのものの流れを遅らせる役割を果たすのじゃ。