平成28年2月26日(金)更新
幌延深地層研究センターでは、地下施設の水平坑道と地表部(西立坑アクセスルーム)に地震計を設置し観測をしています(
平成27年4月3日掲載記事
、
平成27年7月17日掲載記事
、
平成27年10月30日掲載記事
参照)。
平成27年10月~平成28年1月に、宗谷地方を震源とした震度1以上の地震はありませんでした。この間、幌延深地層研究センターで観測された地震の中で、揺れが大きかった2つの地震(平成28年1月12日、北海道北西沖[M6.2、深度265㎞、震央距離85㎞]、平成28年1月14日、浦河南方沖[M6.7、深度51.5㎞、震央距離350㎞])の地震波形を示します(図)。2つの地震の波形の違いは、地震の発生した深度や距離によるものです。また、これまでの報告と同様、地表部で観測した揺れに対して、地下での揺れは小さくなっていることがわかります。
写真 発表の様子
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平成28年2月19日(金)更新
東立坑の坑底(深度380m)にて、水圧擾乱試験(通常よりも高い注入圧を用いて、一時的な水圧上昇が割れ目の水理特性に与える影響を確認する試験)および物質移行試験(原位置トレーサー試験)に使用するボーリング孔の掘削を平成28年1月22日に開始しました(
平成28年1月15日掲載記事
参照)。平成28年2月18日現在で、約39m(深度419m付近)まで掘削が進んでいます(写真1、写真2)。
ボーリング孔は約200m(深度約580m付近まで)掘削する予定です。
*1 グラウトとは…
岩盤に孔をあけ(ボーリング)、水みちとなる岩盤の割れ目の中にセメントなどの固化材を圧入し充填することにより、湧水を抑える技術のことです。
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平成28年2月12日(金)更新
坑道掘削による周辺岩盤内部の水理・力学特性の変化を把握するため、深度350m西連絡坑道および東連絡坑道において、電気探査*1を実施する予定です。2月8日~10日に、電気探査の準備作業として、坑道に設けられた岩盤露出部への電極棒の差し込み、電極棒から計測機器へのケーブルの配線、および計測機器の設置を行いました。
*1 電気探査とは…
岩盤露出部に設置した電極間に電流を流して、その流れ方の違いにより、比抵抗(電気の流れにくさ)を計測する方法です。この電気の流れにくさの違いから、周辺岩盤の損傷状況や水分量を推定します。
写真1 岩盤露出部への電極設置状況(左:西連絡坑道全景、右:岩盤部拡大)
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平成28年2月5日(金)更新
京都大学との共同研究により「幌延深地層研究センターにおける掘削損傷領域の可視化手法の検討」を進めています。本共同研究では、坑道掘削に伴う岩盤の応力変化により坑道周辺に生じる割れ目の発達領域(掘削損傷領域)に樹脂を注入し(図)、樹脂固化後に採取した岩石試料を顕微鏡等で観察することにより、割れ目の開口幅や連結性などの三次元分布を検討します。
本共同研究に関する作業として、平成28年1月27日に、深度350m調査坑道の
試験坑道3
において、ボーリング(長さ1m、4本)により樹脂を注入する前の岩石試料を採取しました。平成28年3月末までに、採取した岩石試料の観察やボアホールテレビによるボーリング孔内の観察(
平成25年6月7日掲載記事
参照)を行った上で、ボーリング孔から坑道周辺岩盤へ樹脂を注入する予定です。
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