平成28年1月29日(金)更新
株式会社大林組との共同研究で実施している、東立坑周辺に設置したマルチ光計測プローブ(関連記事:
トピックス -マルチ光計測プローブを用いた掘削影響領域の長期モニタリングとその評価の実施について-
)による計測結果および、東立坑周辺の
透水試験
・割れ目観察結果を、平成28年1月9日に開催された第44回岩盤力学に関するシンポジウムで発表しました。今回の発表では、これらの結果を基に、掘削により立坑周辺岩盤の水理・力学的な影響を与える範囲が、立坑壁面から約1.5mであることを明らかにしました。
この他にも、内空変位計測結果に基づく初期地圧状態の推定、幌延の原位置岩盤の強度・変形物性の検討(関連記事:
ロックせん断試験~岩盤の強度特性試験~
)についても発表を行い、岩盤力学の専門家と議論を交わしました。
岩盤力学に関するシンポジウムは、岩盤工学および岩盤力学に関する最新の調査研究、技術の成果に関する発表の場を提供することを目的として毎年開催されており、今回は、大学、民間企業、公的研究機関等から計71件の発表がありました。
写真 発表の様子
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平成28年1月22日(金)更新
平成27年12月21日(月)に、札幌市において「OSV Seminar in Sapporo」が開催されました。
本セミナーには、国内の大学や企業から約50名の研究者が参加し、国内外のトンネル等におけるOSV*1の適用事例や今後の展望についての報告および議論が行われました。幌延深地層研究センターからは、特別講演として、高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリア性能に関する試験研究について紹介しました。
*1 OSV(On-Site Visualization)とは…
計測対象物に変化が生じた瞬間に色が変わる「光るセンサ」を開発し、その使用によって人間の生活・労働環境の安全・安心化を目指す研究。
OSV研究会公式ホームページ
写真 特別講演の様子
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平成28年1月22日(金)更新
深度350m調査坑道の試験坑道5における緩衝材流出試験( 平成27年11月13日掲載記事 参照、図)では、緩衝材と岩盤の隙間にできる水みちを確認するために、図に示すように斜めのボーリング孔から食紅などで着色した地下水の注水を行ってきました。今般、緩衝材を試験孔から取り出し、水みちの有無の観察を行いました(写真)。今後は、緩衝材を解体し、密度や含水量を調べていきます。
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平成28年1月15日(金)更新
来週から、東立坑の深度380mの坑底にて、水圧擾乱試験(通常よりも高い注入圧を用い一時的な水圧上昇が割れ目の水理特性に与える影響を確認する試験:[
H27計画書
参照])および物質移行試験(原位置トレーサー試験)に使用するボーリング孔の掘削を開始します。
ボーリング孔は、鉛直に200m掘削する予定です(図)。ボーリング孔掘削に際しては、いくつかの断層部との交差が予想されているため、断層部からのメタンガス噴出を想定した安全対策に万全を期します。(参照:
メタンガスについて
)
図 ボーリング孔掘削イメージ
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平成28年1月8日(金)更新
原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究である「地層処分実規模試験施設を活用した工学技術に関する研究」の一環として、ゆめ地創館に隣接する地層処分実規模試験施設に、緩衝材除去システムを設置しました。(参考:
地層処分実規模試験施設を活用した工学技術に関する研究に係る契約等の締結について(平成27年6月19日)
)
システム全体は、図に示すように、
①塩水を噴射して緩衝材を除去するための「緩衝材除去装置」
②回収した緩衝材と塩水を分離し、回収した塩水を再利用するための「塩水リユース設備」
③二つの設備を遠隔で操作・監視する「遠隔操作設備」
で構成されています。
平成27年度は、このうち、①および③を設置しました。写真1、2はそれぞれの設備の設置状況です。
なお、本システムは、経済産業省資源エネルギー庁の「地層処分回収技術高度化開発(平成23年度~平成26年度)」で開発・製作されたものです。
図 緩衝材除去システムの構成
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