4_2 共同研究・施設共用
外部研究機関への研究開発の場の提供
瑞浪超深地層研究所における地層科学研究は,地質学,水理学,地球化学,岩盤力学などの研究分野を横断する学際的な研究でした。また,大深度における大規模坑道の建設には高度な土木工学の技術などを用いることが必要なため,関係する研究機関や大学などとの協力は不可欠でした。
そのため,本研究所では研究実施期間を通じて表1に示すように,国内外の研究機関などと共同研究を実施し,各研究機関に研究開発に必要な場を提供してきました(図1)。その結果,地下研究所ならではの研究成果が多数創出されており,原子力機構の地層科学研究にも活かされました。また,共同研究を通じて,外部研究機関の若手研究者などの養成にも貢献しました。
産業技術総合研究所 | 共同研究テーマ |
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産業技術総合研究所 |
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原子力環境整備・資金管理センター |
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電力中央研究所 |
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岡山大学 |
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金沢大学 |
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京都大学 |
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京都大学・大林組 |
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静岡大学 |
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熊本大学 |
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東海大学 |
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東京大学 |
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東北大学 |
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名古屋大学 |
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武蔵工業大学(現 東京都市大学) |
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大林組 |
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鹿島建設 |
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川崎地質 |
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清水建設 |
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清水建設・シャルマール工科大学* |
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清水建設,デンカ,岡山大学,日本大学 |
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東京測器研究所 |
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西松建設 |
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地球科学分野の学術研究への貢献
深度500mという地下深部に到達できる本研究所は,地上の施設では得難い高水圧,低振動,低宇宙線,定温,無光などの特殊環境を定常的に提供可能でした。そのため,本研究所においては,地層科学研究と直接関連しない学術分野などの研究に対しても,施設共用の形で研究坑道を外部研究機関に利用していただきました。表2に示すように,研究実施期間を通じて国内の4つの研究機関が研究坑道を利用しており,地質環境関連の研究の他に,地震防災,さらに素粒子研究や宇宙物理学などの最先端の科学的研究にも,本研究所の研究坑道は役立ちました。
組織名 | 施設利用目的 |
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地震予知総合研究振興会 東濃地震科学研究所 |
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京都大学 |
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名古屋大学 |
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早稲田大学 |
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