地質環境の長期安定性に関する研究
- HOME
- 地質環境の長期安定性に関する研究
- FAQ
- Q. 活断層が成長することはないのでしょうか?
FAQ
Q. 活断層が成長することはないのでしょうか?
A. 活断層の中には、分岐したり長さが伸びる場合がありますが、その範囲は最大数km程度です。
活断層の一部には、その長さが伸びたり、新しいものが地下で分岐し、地表ではジャンプするように見えたりする場合があります。ジャンプして広がる幅は千年で10m以下、伸びる長さは千年で100m程度です。

○活断層帯
数十万年間という地質学的な時間スケールでは、活動性の高い活断層は分岐したり、副次的な断層(副断層)を伴ったりします。下図は、このような時間スケールでの現象を大きめに考慮して、幅方向に5km、伸長方向に10km以内に隣接する活断層をグルーピングし、活断層帯を設定した例です。ほとんどの活断層が、活断層帯としてグルーピングされ、活断層が偏在していることがわかります。また、地表から地下数km程度までの様子を模式図として左上に示しています。横手盆地東縁断層帯で行った物理探査や地質調査の結果、断層の分岐は、地下に堆積している泥岩や凝灰岩など、滑りやすい連続的な地層を使って起こったと考えられています。
一方、地下数km程度以浅の岩盤中に断層が存在する場合、その部分は周りの堅硬な岩石よりも弱いため、活断層から離れた岩盤中で新たに活断層が形成される可能性は極めて低いと考えられます。

[文献]
日本原子力研究開発機構(1999;当時,核燃料サイクル開発機構):わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次とりまとめ-分冊1わが国の地質環境.
http://www.jaea.go.jp/04/tisou/houkokusyo/dai2jitoimatome.html pdf版,p. 79-84