地質環境の長期安定性に関する研究
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FAQ
Q. 活断層はどれくらいの間隔で動くのでしょうか?
A. 活断層は、ほぼ同じ活動を繰り返し、規則性があります。
この図は、1930年に活動した丹那断層(北伊豆地震:M7.3)のトレンチ調査によって明らかにされた、過去約6000~7000年の間に、700~1000年間隔で、9回の断層運動が生じたことを示す図です。活断層は、ほぼ同じ活動を繰り返しています。

図は、14C 年代測定(暦年補正無し)で得られた4つの地層の年代を元に、堆積作用は等速であることを仮定して導かれたものです(丹那断層発掘調査研究グループ, 1983 )。丹那断層は、ほぼ同じ時間間隔で繰り返し動いていることがわかります。活断層は、丹那断層ように、最近の地質時代に繰り返し活動している、という特徴をもった断層です。
このような規則的な活動は、将来も継続すると考えられており、これを前提にして活断層の活動が評価されています(地震調査研究推進本部によって全国の主要な活断層の長期的評価が行われています)。なお、丹那断層が含まれる北伊豆断層帯では、再調査の結果、過去 5 回の活動が平均間隔 1400 年~ 1500 年で生じたとされています。
○活断層のずれる方向と変位速度の一定性
活断層の活動の規則性について、もっと古い時代まで遡ってみましょう。東北日本、西南日本に分けて、主要な活断層の過去の活動により累積した地層の変位量(累積変位量といいます。)をまとめたものが下図です。
同じ印で示した同一の活断層のデータをみると、古い地層ほど累積変位量が大きいことがわかります。この図には、日本列島の主な活断層の単位時間あたりの平均的な変位量(平均変位速度といいます)を破線で示しています。主要な活断層のデータは、ほぼこの波線に並行に、直線状に並びます。このことから、活断層は、ほぼ一定方向に一定の平均変位速度で動いており、この傾向は過去数十万年前以降、大きく変化していないといえます。

地震調査研究推進本部,活断層の長期評価のページ
http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka02_danso.htm
日本原子力研究開発機構(1999;当時,核燃料サイクル開発機構):わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次とりまとめ-分冊1わが国の地質環境.
http://www.jaea.go.jp/04/tisou/houkokusyo/dai2jitoimatome.html pdf版,p. 69-70.
丹那断層発掘調査研究グループ(1983):丹那断層(北伊豆・名賀地区)の発掘調査.地震研究所彙報, 58, pp. 797-830.