核燃料サイクルとガラス固化体/わが国の地層処分の概念/地層処分計画の進展/国の基盤研究開発の役割/日本原子力研究開発機構の研究開発目標と課題/実際の地質環境への地層処分技術の適用性確認/地層処分システムの長期挙動の理解/知識マネジメントシステム/段階的な研究開発のスケジュール/研究開発施設と各研究分野
2つめの目標である「地層処分システムの長期挙動の理解」については、地下深部の地質環境条件やその長期的な変化に対する理解を深めながら人工バリアや周辺の岩盤中で起こる様々な現象をより現実的なデータとモデルで再現するなど、地層処分システムに関連する現象への理解をさらに進め、評価の信頼性を高めていきます。長期の間にはガラス固化体中に閉じ込められていた放射性物質が地下水と接触して溶解し、地下水を介して岩盤中を移動することが想定されます。そのような長期的な現象を評価するため、たとえば岩盤の亀裂を通過する地下水の動きや地下水を介した物質の移行挙動をモデル化するための手法の高度化などを進めています。
また、地層処分システムに影響を及ぼす可能性のある地震や火山活動、地殻変動といった天然現象の長期的な変化を予測し、その影響を評価するために必要となる調査技術やシミュレーション技術などの開発も進めています。