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放射線を浴びた試料の試験と分析技術

技術の名称pageTop

原子炉での照射で作り出した医療用放射性同位体の分離技術の検証
~医療用放射性同位元素Tc-99m製造への貢献~

概要pageTop

放射性同位元素(RI)を結合させた医薬品を体内に投与し、体の外から放射線を測定してRIの分布を調べることにより、病気の診断を行うことを核医学診断といいます。RIのTc-99mは半減期が6時間と短く、放射線の身体への影響が少ないため、医療用RIとしてよく用いられています。
Tc-99mは親核種であるMo-99から分離して用いられます。Mo-99は、そのほとんどを海外の原子炉でウランの核分裂反応で生成するMo-99を分離して製造されています。しかしながら、海外のMo-99製造施設が老朽化や閉鎖などで十分な稼動を期待できないという状況があり、医薬品メーカーから新しい製造技術の確立が望まれています。
原子力科学研究所は、照射設備の整った研究用原子炉(JRR-3)、照射済試料を取り扱えるコンクリートセル(NUCEF)及び試料中の不純物等を調べることのできる分析設備(NUCEF)が充実しているほか、それらに関する高度な技術力を有しています。
原子力科学研究所は、地元企業の㈱化研から、Tc-99m分離回収プロセスの実証試験*を受託し、Tc-99mの国内生産に向けての技術開発に貢献しています。今回検証した方法は、天然モリブデンを研究炉で照射し、中性子の放射化で生成したMo-99からTc-99mを新しい分離手法で分離精製するものです。
*㈱化研が(独)科学技術振興機構からの受託研究について、高線量下での実証試験を原子力科学研究所が実施したものです。


JRR-3


NUCEFのコンクリートセル

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